今お世話になっている老人ホームは24時間看護師がつめており、
ベッドには寝返りや呼吸を感知するセンサーが取り付けられている。
いざというとき、安心感があると思ったのも、このホームに決めた一因である。


さらに、毎日の食事や服薬、入浴の様子などのケア情報をネットで閲覧することができる。


昨日の朝、ケア情報を見てびっくりした。

 

深夜0時頃に、廊下を徘徊していたので、職員が声をかけると

「部屋を間違ってしまった。ちょっと来て。一緒に寝よう。ちょっとだけでもさ」

と、しつこく誘ったとのこと。

 

断ると、強い力で引っ張り、部屋に入れようとする。

他の人のケアもあるのでと断ると、「じゃあ、キスだけ。キス。」と口を尖らせたとか。


いったい何をやっているのやら。恥ずかしいというか、情けないというか…。


さらに、4時頃受付にやってきた父は、

「まだ仕事をしているの?偉いね。休憩は何時から?

僕の部屋に来ない?おいでよ。ちょっとでいいからね。

トイレはどこ?来て見てくれない?」

などと繰り返したそうだ。

 

さらに他人の部屋にも入ろうとしたらしい。
…極めて心配になる。人様に迷惑をかけるということは一番あってはいけないことである。


困ったことをしてくれた…と頭を抱えていると、ホームから電話が入った。

使っている睡眠導入剤が、血糖値を上げる原因になっているため、使わなくなったとのこと。

眠れないので徘徊を始めてしまったのかもしれない。

早めに、精神科に連れて行ってもらえないかとのことであった。

年末前の今なら、時間が取れないわけではないが、

父に会うのは、もう少しホームでの生活が落ち着いてからにしたかった。

なんとか連れて行ってもらえないかと話してみるが、「規則ですから」とのことで断られた。

先月までお世話になっていたショートステイに出入りしている病院に頼んでみたらどうか。

というアドバイスで電話を入れるが、往診が専門であるため、断られてしまった。

仕方なく、K澤さんに電話をする。 

「そういうことでしたら、私がお連れしてもいいですよ」

その言葉がありがたかった。

「個人情報の問題があるため確約はできないが、何かよい手があるはずです」と言ってくれた。

夕方、ホームに電話すると、

来月半ばに来るはずの精神科の医師が、7日に来てくれそうだとのこと。

父のことは、安定剤を飲ませ、もう少し様子を見るということで、 方針が固まったようである。

今朝ケア情報を見ると、0時の巡回でも、3時の巡回でも、上を向いて寝ていたよし。

まだこれから何があるかわからないが、ひとまずやれやれである。

K澤さんは、本当によくしてくださる。日本酒の一本でも送っておこうかと思う。