肉体派教師 

 

「先生」というキーワードで今でも思い出すのは小学生のときの図工の先生のこと。

 

 

男性の先生で、図工室に隣接する準備室には先生専用のボクシングのサンドバッグが吊り下がっていて、「ドスッ、ドスッ」と鈍い音をたてて拳を打ち付けている姿を今でも覚えている。

 

 

授業中、問題行動を起こした児童をその腕力で軽々もちあげるという最恐な面があった半面、とても繊細な色合いで絵画を描くゴリマッチョアーティストでもあった。

 

 

ある日のこと、そんな先生が石川県の民話の絵本のイラストを担当することになり、その時購入した絵本はいまでも自宅の本棚にならんでいる。

 

 

とても、サンドバッグをドスドスしていた先生が描いたとは思えない素敵なイラストたち…。

 

 

そのおはなしは能登の北の海上に位置する「舳倉島(へぐらじま)」を舞台にしたもので、島の守り神である「白い大蛇」とこの神様を助ける漁師たち、そして島を侵略しようとする「大ムカデ」との闘いを描いたもの。(詳しいストーリーはこちら

 

 

最終的には「白い大蛇」が勝っておわるのだけれど、問題はこの「大ムカデ」が何者かということ。

 

 

 

ムカデの脅威 

 

ムカデというのは神話では大蛇の天敵でもあり、毘沙門天のお使いともされる。しかし、この舳倉島に現われた大ムカデについては「大陸からの軍隊」や「天変地異の因子の一つ」を連想させる。

 

 

歴史の中でも狙われやすい日本海側のことだ。数々の報道にもあるように、いまでも各国の作戦のシュミレーションのなかに能登も含まれていることだろう。

 

 

大ムカデとの闘いに協力した漁師たちに「幸をよぶ風をふかそう」と約束した白い大蛇さまのように、能登の人々が守りつづけてきた「神々への感謝」や「共存共栄の想い」は陰から復興や安全を支える贈り物であったと私は感じている。