「今朝、駅前のコンビニで素敵なカップルに出会えましたよ。」
「あら、そうなの?」
里子さん(仮名)が、目を輝かせてくれました。
「私のレジの前に すらあっとした男前さんがね、いたんです。買ったその缶コーヒーをね、髪の長い、きれいな彼女に手渡したんです。両手で缶コーヒーを包む彼女の手をね、手袋をした彼がね、そうっと包んだんですよぉ〜。」
「きゃあ♪素敵ィ。」
「でしょお♪ でしょう? 宝塚歌劇のような光景が見れたのぉ。めっちゃ、ときめきました。」
「今日の朝の話なの?年のころはおいくつぐらいのお二人だったの?」
「今朝、7時半ごろ。」
「まあ、あなたそんな早くから働かされてるの? 」
「まあ、まあ、、、、、。訪問ヘルパーの朝は早いです。
その話はこっちに、おいといて、、でね、そのお二人ね、20代かなあ。学生さんって雰囲気ではなかったので、新婚さんかも♪」
「ほんでね、彼女がコーヒー飲み終わるとね、そのイケメンさんがね、もう一本のコーヒーを、自分のポケットに入れて、そこに彼女と手をつないで入れたんです。」
「まあ、あらぁ、、、、♪。」
「私、感動しちゃって。すごく美しい光景でした。」
「今の若い人は優しいわね。韓国ドラマで見たようなことを自然とできるのね? 私たちの時代は、言わんでもわかるやろ?っていう照れ屋の主人ばかりだったわよね。」
「うちの亡き主人もそうでしたよ。でも、その照れ屋さんの優しさもあったかいですよね。」
「うちの孫の新太郎ちゃん(仮名) も、彼女にやさしくできてるのかしら?」
「きっと優しいですよ。里子さんが私にお優しいもん。 ええ恋して欲しいですね。うちの子も、里子さんのお孫さんも。
コンビニで見かけたお二人に、ね、。うち。宝塚の歌、歌いたくなりました。
ベルばら♪愛、それはあ、甘く 愛それは尊くぅ♪」
「ぷくぷくちゃんは、夢見る夢子ね。宝塚も、長いこと見てへんわ。あなたと行きたいわ。」
「ご一緒できたらええなあ、、、って思います。」
2人目があって、ふふふふ。
「ほら、ぷくちゃん、掃除終わったなら、おこたに入りなさい。おこたでぬくもりながら、書類を書いてちょうだい。」
「ありがとうございます♪おこた。ぬくいです。」
夕方。
同じ話を友蔵さん(仮名)にしたら、
「ほお、それはそれは。微笑ましくてよろしい光景でしたなあ。で、あんた、若いお二人さんの邪魔してへんやろね?」
「してませんよ。邪魔にならんよーに、駐輪場でバイクにまたがりながら、缶コーヒー飲んでただけですもん。」
「僕があんたを温めてあげますわ。」
と、私の手を触りかけた友蔵さん。
「ひい!あんた、冷たい手やなあ。僕、年寄りやから 心臓発作が起きますわ。」
「すいません。すぐお料理作りますね。」
「お湯、だしやぁ。手を温めてくださいよ。そんで、手が温まったら、僕と手を繋ぎましょね。」
「あはは。60歳のおばちゃんでよろしいんですか?」
「90歳のぼくからしたら、あなたは、おじょうちゃんですよ。あはは。」
「ありがとうございます。あはは。」
「ぷくぷくちゃん、女の子が そない豪快に笑うもんやありません。ほほほほ、とか、うふふふとか、もうちょい色気出して欲しいなあ。」
「ほほほほ、こうですか?」
「.............あきませんなあ.」
「やっぱり!あなたは、あはは、の、方が似合いますなあ、、」
あはは。
あはは。
友蔵さんも私も笑いが止まらなくなりました。
「お、今日もおいしそうやな。」
「ほうれん草のおひたしと。この前おいしいっていうてくれはった白菜のバター和え。ほんで、春雨とお野菜の炒め煮。あとね、おでんもお鍋に作りました。ガスレンジん所に鍋ごと置いてます。それも召し上がってくださいね。」
また、来てねと、手を振って、見送ってくださる友蔵さんがありがたいです。
素敵なカップルのおかげで、今日も楽しい話題を提供できました。
伺ったご利用者様皆様が笑顔にれました。
神様、そんな光景にあわせてくださいましてありがとうございます。
明日も訪問する皆様に笑顔をお届けしたいです。
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