シャツのお直し | たぁしぃのブログ

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   ハンドワークの会 Witch's room 主宰

洋服お直し、リメイク、リフォームをしている たぁしぃ です。

 
お直しを頼まれる方には、いろいろな方がいて、いろいろなストーリーがあります。
今日はそんな話。
 
先週水曜日の夜、「突然の電話ですみません。お直しやっている方ですか?」と。
良く話を聞くと、旦那さんのシャツを直して欲しいが、かなりボロボロ、来週同窓会にどうしてもそのシャツを着て行くと言い張る、なんとかならないかと。
 
まずは見ないと判断できないので、そう話すと、今持っていきますと。
70歳過ぎくらいでしょうか、良いお年の方が、夜道、知らない私の家まで(表通りまで出ましたが)いらっしゃいました。
 
そのシャツのストーリー。
旦那さんの実家は、仕立て屋さん。そんシャツはお兄さんが作ってくれた大事なシャツ。
10年ほど前に、襟がボロボロになって、近所のお直しやさんで、襟を直してもらったそう。
今はそのお直し屋さんも、無くなってしまった。
そのシャツがこれ。
 

生地も柔らかくなり、愛用していたのがわかる。ネームや刺繍も入っていて、思いを込めて作ってくれたんだろうと想像できる。しかしあまりに襟がボロボロで、着せるのも躊躇われるのも充分わかる。
 
裾を切って、なんとか襟の部分を取ってほしいとのことだったので、お預かりしました。
 
実際襟を外すと、使えるところがなかなか無い!
この時代はまだ接着芯では無かったよう。

 
2枚分襟を取ると裾が短くなるので、表になる部分だけ裁断。
 
裏襟になるところは使える布地で補修。
わかるだろうか、裏にチェックも合わせ布地を貼った。
 

 
台襟は、傷んでいない方の襟を使うと、ボタンホールが逆になるが、背に腹はかえられぬ、ここも補修。
 

と、いろいろ工夫をし、無事直し終えました。
 
取りにいらした奥さまには、もちろん喜んでいただけました。
旦那さんは、3年前に倒れられて、奥様も手伝っての懸命のリハビリで、やっと動けるように回復。
そこに同窓会のお知らせがあったのだけど、少し認知が入ってきてと話されて。もしかしたら、同窓会に出るのは、最後になるかも知れないとから、どうしても直して欲しかったんだと。
 
きっと旦那さん、このシャツを着て、楽しく同窓会に出られたんじゃないかと思います。
 
 
今、既製服が安い時代です。
でも、買えないものもあるんですよね。
想いに応えた、シャツのお直しでした!