ぷぅーこのはじめての男は
ぷぅーこの出張中に
浮気して
女を妊娠させて
デキ婚した
最低な男だった
高校１年生の冬から
13年間もおつきあいした
２つ上の先輩
将来は
このひとと一緒に
老後を過ごすのも悪くないと
結婚に向けて
ふたりで頑張って貯蓄をし
小さなマンションを買った
両家の挨拶も済ませ
あとは
結婚式に向けて突っ走るのみ
あわただしいけど
幸せな日々を
おくっていました
そんな時に
変な女につかまったと
男が
ぷぅーこに泣きついてきた
よくよく話を聞くと
つい出来心で遊んだら
相手が妊娠してしまったという
ショッキングな話しである…
子供を処分しろと言ったけど
産むって聞かないって
そんな事を
ぷぅーこに言われても…
胸にズボッと穴があいて
真夏なのに
その穴をカサカサと
木枯らしが通りすぎていくような
感覚…
相手は誰だと聞いても
知らない女だと言って答えない
挙式も２か月後に迫っているのに
頭のなかが真っ白…
ぷぅーこのなかで
時間だけが過ぎていく…
挙式１ヶ月前になり
痺れを切らしたかのように
相手の女性が赤子を抱えて
ぷぅーこの職場に乗り込んきた
男とよく食べに行った
居酒屋のバイトのひと
私たち
子供がいるんです
お腹にもいるんです
挙式を中止して
早く別れてください
社内に異様な空気が流れて
お昼のランチどき
デスクに残った同僚たちが
オロオロしていた
へ
えぇっ
えぇっ妊娠やと聞いてたのに
もう産まれてるやないのーーー
しかも、2人目妊娠
頭のなかが
ますますパニック
ぷぅーこのなかで
プチっと何かが切れた音がした
同僚たちに暴露されたのは
不可抗力だったが
いまおもえば
スーツを着ているときで
よかった
そのときの事は
よく覚えていないのだが
のちに同僚たちから
子供や
第三者がいるまえで
母親が見苦しい
そう言ったあと
笑顔で相手をテキパキ誘導して
オフィスから
出ていったと聞かされた
最初に
彼女に言葉を放ったときから
ぷぅーこのなかでは
もうすでに答えがでていた
大人のぷぅーこが
産まれたばかりの子供や
これから産まれてくる子供に
喧嘩を売るなんてね
このときなら
勝てたかも知れない
けど…
そんなこと
できるわけがない
数日のあいだ
相手に子供がいなければとか
死んじゃえばいいのにっとか
次から次から
汚ない気持ちが
ぷぅーこの心のなかに
湧いては圧し殺しての繰り返しで
辛かった
そんな自分に毎日泣かされて
ほとほと
嫌になっていた
職場近くのカフェへ連れていき
彼女を座らせ
ミックスジュースをひとつ注文した
妊娠中だというし
母乳を与えてるかどうかは
わからないけど
アイスコーヒーよりは
身体にはよいような気がして…
その後の用件は
ぷぅーこから一方的に伝えて
終わった
まだ勤務中なので長居はできません
あなたの言いたいことはわかりました
私のなかではあなたは憎い相手です
でも…
でも…
子供には罪はない…
この子たちの立場からみたら
母親がいて父親がいる
それが１番幸せなことで
何度かんがえても
私だけが必要なく 邪魔なんです
幸い
私はまだ籍をいれてません
ですが
あなたと彼が私にしたことは
別問題で
到底ふたりを
許せるもんではありません
でも
子供のことだけを考えます
私は全てを放棄します
これからの責任は私にはない
これから
この子たちを幸せに出来るかどうかは
２人の問題だってことを
肝に免じて頑張って欲しい…
彼にも同じように伝えます
それだけを言い放って
あとにした
営業トークで淡々と…
このときばかりは
スーツに救われたな…
ひとが誰かを好きになる気持ちって
とにかく凄いやっかいでね…
このあと
いろいろな処理ごとで
ずいぶん地獄をみたけど
福ちゃんと結婚したあとのほうが
さらに地獄だった
(笑)
その後ずいぶん経ってから
ぷぅーこが結婚すると
誰かから聞いて
男が職場まで会いにきた
結婚生活上手くいってないらしい
彼女には小学生になる
連れ子がいたらしい
向こうの親がややこしくて
金に汚ないから苦労してるって
話してた
ごめんな
いま幸せなんか？
幸せになれよ
男と会ったのは
それが最後だった
13年間の恋が
終わった
どんなカタチであれ
お互い幸せにならんとね
ときおり思い出すけど
それは未練でも後悔でもない
ぷぅーこは
あんとき男を突っぱねた自分が
誇らしい
２番目の男は福ちゃんです
こっぴどい目にあったからか
なかなか次の恋にはいけなくてね
ぷぅーこ
ただいま結婚9年目です
出会ってから11年目になりました
福ちゃんとの馴れ初めは
また別のときにでも
ゆっくりと 
