「三銃士」とか「モンテクリスト伯」の著者で有名なアレクサンドル・ディマは、個人的には凄い好きな作家だ。
一番好きなのは「モンテクリスト伯」で、高校生の時から何回読んだが忘れてしまったぐらいだ。
この小説は、日本では「巌窟王」というタイトルで有名な小説だ。
ただ、ダイジェスト版はどれも酷い劣化版で、本来の「モンテクリスト伯」の魅力の1/100も伝えられてない印象だ。
キリスト教徒ってもともと復讐は禁じられているから、小説の中では「東洋」と呼ばれる文化がよく出てくるが、これはアジア地域ではなくトルコ周辺の文化を東洋と呼んでいる。割と近代化する前のヨーロッパ文化がどういう文化だったのかが、詳細に味わえる小説である。
ただ、本筋の復讐劇がやっぱり面白くて、その復讐も割と狡猾で念が入っているところが面白い。
余談だが、アレクサンドル・ディマの頃のフランスってどういう感じだったのか、全然分からないが、数学の天才のガロアを見たときの回想がディマによって語られているのを読んだ事があったので、割と驚いた。
ガロアは、政治的な活動が災いして、その天才的な数学の才能が潰れた典型的な人物だが、活動範囲はかなり狭く、ディマと接点があったことに単純に驚いた。
ガロアは、女性関係の決闘で命を落としたが、その女性は実は政治的な諜報員で、ガロアを抹殺するために近づいたっていうのが今では定説だ。
フランス革命からナポレオンの時代は、フランスが最もドロドロしていた時代だから、色々と面白いと思う。
本当は、昔の講談社の翻訳が好きだったんだが、今では廃盤で、岩波でしか読めない。もったいないなって思う。
注)最初、ガロアとアーベルを打ち間違えていました。すみません。