自分は,二つの高専を経験していて,一回高専を転職してます.高専から高専へ移るのも部署内移動とかではなくて再就職って手続きになります.採用面接は当然あって,かなり厳しいです.
二つの高専は対照的で,最初の高専はいわゆる底辺校・教育困難校っていう学校で,次の高専は一般的なレベルの高専でした.
最初の高専は,そもそも自分の人生であんまり見たことが無い学生が集まっていて,まず学ぶ意思が全然ないから,最初は誤解していて,分かりやすく授業内容を頑張って再編成すれば良いのかと勘違いしてて,なるべく分かりやすい授業を作ることに努力していましたが,どんなに食べやすくしても食べないんですよね(笑) 学ぶ意思がそもそもないから結局無理ゲーでしたよ.
クラスのTOP5ぐらいが,学ぶ意思があってついてきてくれるようなレベルでした.
学ぶ意思が希薄な学生に,どうやって勉強を教えたらいいのか?ってかなり深いテーマで相当悩みましたよ.
次の高専に移動したら,もうビックリの連続で,学生は勝手に勉強してくれるんですよ.結構な無理難題でも学ぶ意思が強いから,判らないなりにも勉強してくれる.まあ〜これが一般的な高専なんだなぁ〜って思ったけど,前の高専で9年間も頑張ってきたから,相当戸惑いましたね.
けれど,学生の質が高いと教員がダメになりますね.これは本当にそう思った.学生が無理難題いってもなんとかこなすから,全然努力しなくなる.
「柔らかい食べ物を与えていると考えなくなる」って言った教員がいましたが,その教員は自分の前任校に送ってやりたいですね!ほんとうに.学生が凄く優秀だと,教員は怠惰で馬鹿になりますよ.学生に甘えてるっていうか,教える努力をしなくなる.
化学系の学生の講義ノートを見せてもらってビックリしましたよ.シュレディンガー方程式をいきなり教えて,水素原子の電子分布を球面調和関数で求めてるんですが,流石に優秀な高専生でも,いきなりそれは理解できないし(そもそも偏微分方程式の変数分離解法を習ってない) 化学系の学生に,それはあんまり意味がない.量子化学を教えるなら,もっと教えることは一杯あるのに,大学の量子力学の標準的な教科書そのままで,水素原子の電子分布を教えるって,どんだけサボってんだよって話ですよ!