森永卓郎氏の「ザイム真理教」は,とても興味深い本だった.次回作も病気と闘いながらも何とか出版する!って仰っていたので,楽しみに待っていた.しかし,発売前の予告の内容で,日航123便墜落事件を扱うことを知り,日本経済の失墜とどう関係するのか?全然想像がつかず,少しだけ買うのを悩んだが,闘病中の森永氏の少しでも援助になればという思いで購入した.

 

ところが,「竹中平蔵 市場と権力」佐々木実著を読んだ時に,何故,「日米構造協議」という一種の再占領政策の様なものを当時の日本が受け入れなければならないのかが,全然理解できず,ずっと引っかかっていた.しかし,日航123墜落事件の真相が,森永氏の主張の通りだとすると,それを受け入れなければならない理由がやっと理解できた.本としては,キチンと一本の筋が通っている.

 

その後の小泉政権の構造改革政策により,日本経済は徹底的に破壊されてしまうのだが,「書いてはいけない」の第4章の内容は,「竹中平蔵 市場と権力」佐々木実著の方がずっと詳しい.小泉元首相は,経済のことは何も知らない政治家だったから,竹中平蔵氏に丸投げしていたからである.

 

これが,森永卓郎氏のもしかすると最後の著書になるかと思うと非常に悲しい.最後まで諦めずに,病気と闘って回復して欲しいと願うばかりです.