とはいえ、私も齢40を数えるようになり、いささか頭頂部が心もとなくなってきた。髪型によっては気づかれないが、つむじ付近で分け目がぱっくり行ってしまったときには通り過ぎるスタッフの視線が刺さる。成程これが老化と云うものかと体の変化を噛み締めてみるのも一興だが、生憎気持ちの上では青春真っ只中故、体の変化に心は追いつかない。となると次なる一手はアンチエイヂングとなる。変化してゆく肉體にアプロオチし、若々しい見た目を取り戻すと云う算段である。倖い顔面に於いては我が醫院の誇る日常のお手入れが功を奏してか未だ十年ほど前の面影を保てていると思われる。このまま毛髪のみが痩せ衰え寂しい事になってしまってはアンバランスこの上なく、また髪型の自由も利かなくなってしまう。折良く手許にはペプチドを配合したヘアフィラアなる注射製剤と、ペロバアムというホオムケアセットがあるため我が身を實驗臺として髪を増やし伸ばす準備は整っているといえる。早速皮膚科の森田醫師に依頼しヘアフィラアを注入してもらうことにしたのであった。
ヘアフィラアに加え、最近明らかになりつつある目の下のしわにもコラアゲンを減らししわを改善させる効能のあるリジュランを注入することとした。
森田医師も手慣れたもので、薄毛ゾオンに的確に注入を行ってゆく。針はパスキン、34ゲエジの三本針なので麻酔の効果も相まって痛みは感じない。
「嗚呼、ここは打っておかなくちゃね」
そうなのか。
目の下は年齢が出る。たるみはその最たるものだ。リジュランは皮膚からのアプロオチ。ヒアルロン酸と組み合わせることもある。
あとは年末にヘイローをやれば完璧だろう。メインテナインスが大事だ。
あらおクリニック院長荒尾直樹



