この記事について。
高齢の心肺停止状態の女性を搬送できずに、残念ながらお亡くなりになってしまったと。
この記事の「言いたいこと」は、電話に出なかった病院のせいで患者さんが亡くなってしまった、ということなのです。そのことを読者に伝えたかった。そのことを理解して記事を読む必要があります。
今回の「事件」において、病院のせいにすることは簡単で読者の興味もそそりますが、はっきりいって無理筋です。
まず、「心肺停止状態」だったということ。これだけで二次救急でなく、三次救急医療の対象です。50人以上もの入院患者さんに対して責任を持っている当直の先生一人で蘇生するのは難があります。医龍やスーパードクターKの様に、一瞬で診断をつけて的確な治療をし、次の日には歩いて退院できるなんてことはまずありえません。心肺停止になると3分で50%の死亡率、6分で100%に近い死亡率です。
体制の整っていない施設へこの患者さんが搬送されて、救命できた確率は残念ながらほぼゼロといえるでしょう。また、そういうことを救急隊員が知らないはずもないですから、「なぜ、最初から3次救急へ連絡しなかったのか?」という疑問も生まれます。
その「なぜ?」の答えはこういうことです。
医療の現場では、心肺停止状態の患者さんは、心肺停止になってから1時間以上経って発見されても、医師による死亡確認がされていなければ、「心肺停止状態」と言う状態で生きている、と見做され(あくまで見做しですが)救急医療機関へ搬送されます。そしてひと通りの蘇生処置を施され、死亡確認、となるわけです。
救急隊が「あえて」この患者さんを二次救急の施設に搬送しようとしたのは、救命が不可能である何らかの理由があったからではないか、と考えます。死亡確認のみであれば、当直医1人でも出来るため、最初に連絡をした・・・と。
これで叩かれれば、この病院は割りに合わない救急医療からは撤退するでしょう。
読売新聞がこの記事を掲載したことにより、地域医療を支えてきた病院が撤退してしまい、患者さんが医療難民になってしまわないよう願っております。
医療崩壊の一翼はマスコミが担っていることを、私の拙いブログの読者様にも知っていただきたく筆を執りました。乱文お許しください。
荒尾 直樹