レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -557ページ目

春の風が吹いていたら

ふと空を見上げると、白い雲が流れていく。

心なしか目は痒いけど、花粉症という感じではない。

僕は目を閉じて、頬に春の風を感じた。

やわらかい風がいたずらっぽく

目の前を通りすぎるお嬢さんの髪の毛をとかしたり、

スカートの裾を少しぱたつかせたりしながら通り過ぎていく。

自転車に乗った子ども達が、ゆるやかな坂道を上っていく。

春の風が僕に懐かしい薫りを残し、空に舞い上がっていった。

子どもの頃に感じた春の薫りだ。

そこの曲がり角から、今にも少年時代の僕たちが

飛び出して来そうな気がする。

笑い声を上げ、手にグローブやらボールを握り、

野原を目指して一目散に走っていく。

子どもの頃、僕たちはそんな日が永遠に続くと思っていた。

みんなどうしているのだろう?


僕は、情けないくらい寂しがり屋だ。


僕は踵を返し、三男が通う小学校に向かった。

行く理由はなかったが、無性に校庭が見たかった。

途中、子供たちが通った幼稚園があり、

昔と変わらない大きな桜の木が見えた。

そこから少し進むと、

金網越しに小学校の校庭がみえる場所に着く。

下校時間を過ぎた校庭には誰もいなかった。

今時の子供たちは、

放課後、校庭では遊ばないのだろうか。

校庭の隅の桜の木の下には、

ひらひらと花びらが舞い落ちていた。


僕は、時々こうして小学校の校庭をぼぅ~と見に行く。

そんな事をすると無性に寂しくなるのに

そうせずにはおられないのだ。

まったく困った性分だ。





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