レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -555ページ目

野鳥の鳴かない春

暖かい一日だった。

自宅近くの見事な桜もだいぶ散った。

そろそろ、鯉のぼりが、風になびく季節なんだなあ。

しかし、季節の移り変わりを感じる何かが足りないのだ。

例年と何かが違う。

腕組みをしたり、窓から外を眺めたりしてみたが、

浮かばないものは浮かばない。

僕は、ため息をついて、飲料を買いに外に出た。

自販機の陳列見本をみると、

抹茶入り珈琲みたいなものが目にはいった。

何か無理を感じるのだが、どのような味なのだろう?

抹茶か・・・嫌いでもないよなあ、あの何とも言えない緑色・・・

緑色?・・・緑、みどり、ミドリ、green・・・

そうだ、めじろだ。

早春からこの季節、仕事場へ向かう途中、

かなりの確率で何羽かのめじろを見かける。

ところが、今年は一羽も見かけない。

どうしたのだろう?

そういえば、ウグイスの鳴き声も聞かない。

春告鳥の名を持つくらいだから、

とっくにさえずりを聞くことができるはずなのに・・・

中途半端な町の再開発に愛想をつかせて、

出て行ってしまったのだろうか?

この町に引っ越して来た時、

ウグイスの鳴き声に耳を疑い、

街中の木々を渡り歩くめじろにびっくりした。

そして、頭上を悠々と舞う白鷺たちに、

何とも言えない長閑さを感じたものだ。

大阪の中心部からさほど離れていない土地に、

そんな自然が残されているなんて、思ってもみなかった。

当時は、自宅まわりはすべて田畑で、

こんもりとした森まであった。

今では森も造成され、住宅地になっている。

田畑も、日を追って住宅地に姿を変えていっている。

時の流れと諦めないと仕方ないのだろうけど、

やはり寂しいよなあ・・・

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