レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -552ページ目

成穂堂、奔る!

闇を切り裂くように、電話が鳴り響いた。

と、つかみを入れたいところだが、

お気楽な日常にそんな事は起こらない。

ブログつながりの方からの有難い電話だった。

本やオモシログッズを頂けるという事で、

翌日、隣の市まで、車を走らせた。


少し余談をはさみたい。

先日手に入れたスマホ。

実はそれに搭載されているナビを試してみたくて、

ウズウズしていた。

僕は嬉々として車に乗り込み、

現在地情報と先方の住所を入力した。

それを助手席の家内に

「よいか奥、その画面と道路をよく見比べておるのだぞ。

目を離すでないぞ」と、宝物を見せるかの如く手渡した。

いきなりナビが「その先すぐ右です」と言った。

駐車場は左折でしか出られない。

「無茶言うなよ」と呟きながら、僕は発進した。

勿論、右折などしない。すれば壁に激突する。

と、そこで家内が思いもよらぬ行動に出た。

電動歯ブラシの如く、スマホの画面の埃を指で払ったのだ。

「待てっ!」という間もない。

「あれっ? 地図、どこにいったのかな? あれっ?」と言っている。

すでに画面は訳の分からない事になってしまっているようだ。

出発早々、波乱含みだ。

しかし、そこは疾走する古本屋成穂堂だ。

こんな事もあろうかと下調べはしておいた。

僕はアクセルを踏み、先に進んだ。

家内はしばらくスマホを触っていたが、

なんの弾みか「しばらく直進です」とナビが言い出した。

その後、ナビは順調に僕たちを、到着先へと案内した。

到着手前で、ナビが示した道路は余りにも狭く、

僕はそれを無視して自分の勘に頼った。

唯一、迷ったといえば迷った箇所だ。

結果、ナビ君が正しかった。

すごいねえ、ナビ君。


・・・話は戻る。

お邪魔した先には、快活な奥様がお待ちだった。

体調を崩されているとの事だったが、

そんな片鱗さえ感じない。

心の強い方なのだろう。

「初めまして、成穂堂です」と言いながら、

すでに何度もお目にかかった様な不思議な感覚だった。

きっと、ブログのなせるワザなのだろう。

少しお話しただけでも、その多芸多才さが伝わってくる。

読書量も中途半端ではない。

そのまま大量にドカンと頂いた。

興味を引きそうな本がザクザクでてきそうだ。

かつて、劇場で使われていたスポットライトなんかも頂いた。

昭和を代表する女性歌手を照らしたものだそうだ。

その他、ちょっと面白いグッズも頂いた。

お土産も頂いた。

そう、頂いてしまった。

しっかり、買いい取らせて頂くつもりだったのに、

なんともまあ、あっさりした方で「もって帰ってくんな」

という事だった。

もっとお話のできる時間があれば、

本や趣味のお話をお聞きしたかった。


帰りの車中も、家内と「ほんまによかったんやろか?」

という話しになった。

また何かお礼のできることもあるやろ、

という事で、今回は有難くご厚意に甘える事にした。

心に残る出会いだった。

古本屋もブログもしていてよかったと、

何度も頷く僕であった。

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