レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -459ページ目

家内の一念

リビングに無造作に、段ボール箱がおいてある。

テレビをみている長男に

「どうしたん?この箱」と、聞くと、

朝からそない鳴らさんでも分かるでというくらい、

インターホンが鳴り響き、この荷物が届いたという。


・・・そうか知らなかった。爆睡していた・・・


ラベルを見ると、家内宛で、依頼主は永谷園と、なっている。

永谷園?

お茶漬け海苔お徳用セットでも買ったのかと思ったが、

段ボール箱には『ワレモノ注意』のシールが貼りつけててある。

もう一度、ラベルをよく見ると、

『飯釜』と印字され、依頼主の下に懸賞係とある。

何やらの懸賞に当たったらしい。

そう言えば去年の末あたりから、

炊飯器の調子が良くないと言っていた。

確かに炊き上がる直前に

霧笛のような音が暫く鳴り響くのである。

これから楽しいご飯時が始まろうとしている時に、

僕はむせびなくような哀愁の中、

食事の用意を待つことになる。

家内はそんな僕をしげしげと観察し

「ねえ、炊飯器が泣いているでしょ。

もう、私にお暇を下さいと、言っているでしょ。

土鍋でご飯を炊くと美味しいらしいのよ。

しかも火の調節をしなくもいいらしいのよね。

そんなのを購入しようか」

と、巧みに情に訴えかけてくる。

「その内ね」・・・危うく頷く所だった。

その後も、何やらぶつぶつ言っていたような気がする。

それを懸賞応募という、無謀とも思える手段で入手したようだ。

主婦の一念、岩をも通すとはこの事か。

いやあ、恐れ入る。

先に仕事に向かっている家内はこの状況を知らない、

長男が

「お母さんが帰ってくるまで、これは開けないように」

と、弟たちに言い聞かせている。

勿論、僕も素知らぬ顔で、店に向かった。

夕方からは、長男が仕事を手伝いに来てくれたが、

やはり、それには触れない。


やがて、先に自宅に戻った家内が、

舞い上がらんばかりに電話をしてきた。

平和な日々よのう。幸せな事だと思う。











さて、この飯釜で炊いた米、とても甘くて美味しい。

びっくりである。完璧に侮っていた。

ご飯の炊き方は至って簡単だが、

その間、目の届く所にいなくちゃならない。

季節により米を30~60分ほど水につけ、ガス強火で8~10分炊く。

ピ~と音がし出したら(やっぱり、むせび泣くんじゃないか)、

そこから1分後に火を切る。

あと15分ほど蒸らせば出来上がり。

3合炊なので、家族1回の食事にはやや少ないが

炊飯器で炊くより断然美味しい。

これはクセになる。

保温ができれば最高なのに・・・

きっと、物凄く高機能な炊飯器は

もっと手間なく美味しいご飯が炊き上がるのだろうが、

取り敢えず、うちはこれでいくか。

奥よ、でかした!


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