「怪しげな店」VS「怪しい店」
「怪しげな店」・・・それが成穂堂の第一印象らしい。
先日、おずおずと入ってこられたお客などは、
5年もの間、店内に足を踏み入れるべきか否かを迷っていたという。
僕が「何か怪しげなのでしょうか?」と、このお客ににじり寄り問うと、
「はて、何でしょう? でも、怪しげでした」と。
「今日は意を決して入らはったんですか?」と、にこやかにたずねると
「リサイクル品、扱いだして大きい扉を開けはったでしょ」
僕は頷いた。
「でね、見通しがようなって大丈夫そやなと思いましてん」
見通しが良くなったからといって、店の本性が変わる訳ではない。
店というのは、それだけ見た目も大切という事なんだな。
人の心理とは複雑なようで、存外単純なのかも知れない。
しかし、このお客の「怪しげ」というのは、
遠からず当たっているような気もする。
現実は小説より奇なりと言われるように、
人々は思いもよらぬ理由で、物品を売りに来たり、買って帰ったりする。
また、その商品が辿った数奇ともいえる物語があったりする。
まとめると、そこそこ面白い小説になるのではないかとさえ思う。
ところで、「怪しげな店」といえば、
その向こうをはったようなタイトルの新刊が出た。
すでにお読みになった方もいらっしゃると思う。
「怪しい店」有栖川有栖。
今回は版元さんから送られて来るのが遅く、
全然優越感に浸れなかった。

まわりが、その本の事を話題にすると、
耳をふさいで聞かなかった事にした。
今回の作品は短編が5作おさめられているが、
その中の1つは、うちの店をディホルメして書かれている。
・
・
・
・
・
・
と、いう事はない。
その昔、結末を読んで
「そんなマンガみたいにうまいこといきまっかいな」
といって笑った事もあったが、
「そんな事があってもいいでしょ」と、ニコニコする有栖川さん。
それから随分経ってからリアルさを追求する事だけが、
面白さにつながるのじゃないと僕も思うようになった。
やはり、僕よりも何枚も上だね。
当たり前か・・・比べる方がおかしいわな。
有栖川ファンには、今更何を寝言を仰ると言われるだろうが、
有栖川有栖、人を楽しませるという事をよく知っている作家だ。
なんでもいい、一つの「店」を思い浮かべて頂きたい。
店を覗き込むと、そこはまるでスクリーンに映し出された映像のようではないか。
店内に身を移しふと外をみると、やはりそこはスクリーンの映像のようだ。
果たして、自分はどこにいるのか? そんな事を思った事はないだろうか。
「店」というのは夢と現を行き来する魔力を持っているのかも知れない。
今作品、そんな「店」を舞台に極上なミステリーが繰り広げられている。
まだ、「怪しい店」をお読みでない方、
温かいオコタに入り、或いはぬくぬくの布団に潜り込み、
この本のページをめくってみては如何なものか。
長い長い夜が楽しめるはずだ。

先日、おずおずと入ってこられたお客などは、
5年もの間、店内に足を踏み入れるべきか否かを迷っていたという。
僕が「何か怪しげなのでしょうか?」と、このお客ににじり寄り問うと、
「はて、何でしょう? でも、怪しげでした」と。
「今日は意を決して入らはったんですか?」と、にこやかにたずねると
「リサイクル品、扱いだして大きい扉を開けはったでしょ」
僕は頷いた。
「でね、見通しがようなって大丈夫そやなと思いましてん」
見通しが良くなったからといって、店の本性が変わる訳ではない。
店というのは、それだけ見た目も大切という事なんだな。
人の心理とは複雑なようで、存外単純なのかも知れない。
しかし、このお客の「怪しげ」というのは、
遠からず当たっているような気もする。
現実は小説より奇なりと言われるように、
人々は思いもよらぬ理由で、物品を売りに来たり、買って帰ったりする。
また、その商品が辿った数奇ともいえる物語があったりする。
まとめると、そこそこ面白い小説になるのではないかとさえ思う。
ところで、「怪しげな店」といえば、
その向こうをはったようなタイトルの新刊が出た。
すでにお読みになった方もいらっしゃると思う。
「怪しい店」有栖川有栖。
今回は版元さんから送られて来るのが遅く、
全然優越感に浸れなかった。

まわりが、その本の事を話題にすると、
耳をふさいで聞かなかった事にした。
今回の作品は短編が5作おさめられているが、
その中の1つは、うちの店をディホルメして書かれている。
・
・
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と、いう事はない。
その昔、結末を読んで
「そんなマンガみたいにうまいこといきまっかいな」
といって笑った事もあったが、
「そんな事があってもいいでしょ」と、ニコニコする有栖川さん。
それから随分経ってからリアルさを追求する事だけが、
面白さにつながるのじゃないと僕も思うようになった。
やはり、僕よりも何枚も上だね。
当たり前か・・・比べる方がおかしいわな。
有栖川ファンには、今更何を寝言を仰ると言われるだろうが、
有栖川有栖、人を楽しませるという事をよく知っている作家だ。
なんでもいい、一つの「店」を思い浮かべて頂きたい。
店を覗き込むと、そこはまるでスクリーンに映し出された映像のようではないか。
店内に身を移しふと外をみると、やはりそこはスクリーンの映像のようだ。
果たして、自分はどこにいるのか? そんな事を思った事はないだろうか。
「店」というのは夢と現を行き来する魔力を持っているのかも知れない。
今作品、そんな「店」を舞台に極上なミステリーが繰り広げられている。
まだ、「怪しい店」をお読みでない方、
温かいオコタに入り、或いはぬくぬくの布団に潜り込み、
この本のページをめくってみては如何なものか。
長い長い夜が楽しめるはずだ。
