レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々 -313ページ目

痕跡本に思う

「帯はついていますか? 線引きはありませんか?」

通販をしていると、よくある質問だ。

中には「極美品を探しています」というのもある。

その気持ちは分からないでもないが、

本の状態にかなり拘りがあるのなら、

古本は通販で購入しない方が良いのではないかとも思う。

そもそも本というのは「読む」為にあるのだから、

余り状態を気にしなくてもいいじゃないかと思ったり、

心情として同じならきれいなものが欲しいよなあと、思ったりもする。

中には、見て楽しんだり、飾って楽しんだりするケースもあるだろうし。

通販品はその状態を丁寧に記しているつもりだが、

いくら状態を細かく記しても、それは主観の域を出ない。

こんな事を書くのは通販受注で何かがあったからという訳ではない。

今書いた事と真逆の問い合わせがあったのだ。

「当方、シミ、日焼け、掻きキズなど傷みのある本や

書き込み、線引き、スタンプなどがある本を探しています」

と言った内容だった。

所謂、痕跡本コレクターだ。

その本がどのような道を辿ったかを推測し楽しむ。

僕も結構、書き込みや線引きのある本を楽しむ方だ。

ついつい、書き込みを追い掛けて、

その人の持つ思想について考えてみたりする。

線引き箇所をみて、なるほど~と唸ったり、

えっ、そこか~?と、不思議に思ったり。

見知らぬ土地の書店のレシートが挟まっているのを見つけ、

Googleで探してみたり・・・

見方一つで、線引きや書き込み本も楽しく読める。

要は、自分の考え方一つなのである。

同じ時を過ごすなら、楽しく考えようぜ。

時にはそう思えない時もあるが、

大概の事は時間の経過と共に、

まあ人生色々あるわなと思うようになる。

そんなお人好しな事を思いながら、

今日を生きていくぼくである。