夏の匂い
南へと車を走らせている。
階段箪笥という民芸家具を譲って貰うため、
大阪狭山市を跨ぎ、泉北丘陵を超え、岸和田市の地車を横目で見、貝塚市を突っ切り、泉佐野市へと。
と書くと、物凄い距離を移動しているように感じるが、たかだか30km弱だ。
小振りで使い勝手がよさそう♪
店を出たのは12時過ぎという、気温がどんどん上昇している最中。
エアコンをガンガンかけているけど、一向に車内は涼しくならない。
車の運転中に熱中症になるというのも分かる。
途中、信号待ちでふと田んぼに目をやると、随分と稲が育っている。
車の窓を少し開けるてみると、蒸せるような草のにおいが飛び込んでくる。
間違いなく夏なんだよな。
もう一月もすると、田んぼは黄金に揺れる。
しかし、今年ほど季節の移ろいを感じない年はない。
梅雨や初夏を飛び越えて、いきなり真夏に突入した感が強いからかも知れない。
一昔前は、「時の流れは思いの外速い」と口では言いながらも、どこか他人事のように思っていた。
この頃は、うかうかしていると、そろそろ終い支度ですよ、と言われそうで焦り気味になっている。
これまで、仕事だけは自由気ままにさせてもらってきた。
それだけでも随分家族に感謝しているのだけど、
他にしたい事はないのか?と問われると、歯切れの悪い返事になってしまう。
先日、遅い晩ご飯を食べながら「仕事は面白いけど、それだけじゃあかんよな〜」と、何気なく呟いた。
目の前にいた三男が「一日、30分でもやりたい事をしたら?それくらいの時間はあるやろ」と真顔で言った。
僕は、プッと笑ってしまった。いつも僕が子供たちに言っている言葉だ。
皆さん、どうです?
本当は、自分次第なのに、都合の良い言い訳をして、
後生大事に鉛の金庫に仕舞い込んでいる「やりたかったコト」はないですか?
多分、結果になんてそんな大きな意味はない。
やってみたい事だからやってみる。
止めたくなったらやめればいいし、諦めがつかなければやり続けるだろうし。
それでいいでしょ。大層に考えることはない。
そんなこんなで、僕は金庫の蓋をを開けちゃいましたよ。
いざ金庫を持ち上げてみると、張りぼての柔な金庫でしたよ♪

