本官さん、それを言っちゃいけません | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

本官さん、それを言っちゃいけません

年に一度、警察官が書類を持ってやってくる。

今年は若手の本官さんがやって来た。

ある意味、古物商というのは怪しげな商売なのだろう。

古物売買の許可証、古物台帳、身分証などの提示を求められる。

本官さんに「あれっ、○△さんは?」と、尋ねると、転勤になったと言う。

地元との癒着を防ぐため、結構な頻度で転勤があるのだとか。

僕が「癒着、大好き」と言うと

「やめて下さいよ。どうでなくても警察官の不祥事は目立つのですから」と。

「今度、いつ来ますの?来週?」

「来ません」

「明日?」

「来ませんて」

本官さんはそう言って、書類を脇に抱いて逃げるように帰って行った。

翌夕その本官さんが「すみませ~ん」と、やって来た。

警察官が「すみませ~ん」と言うのも間の抜けたようなおかしなものだ。

僕が「はいはい、珈琲?紅茶?」と、笑いながら言うと

「違いますって。保管カードの書き漏れがみつかりましたんで。埋めて欲しいんです」と。

記入しながら「ところで、□◇副署長は元気?」と、聞くと

「お知り合いでありますか」と、急に態度が改まった。

「うん、クラブの先輩」と、言うと

「はっ、そうでありましたか。失礼しました」と、本官さんは少し緊張気味に言った。

「成穂堂のオヤジが宜しくと言っていたと、伝えておいてね」

「わっかりました」

「じゃあ、本官さん、今度お茶しにおいでよ」と、言うと

今度は明らかに困った顔になった。

「で、では、次の休みに。いやいや、勘弁して下さいよ」と。

家内の口が、あまりいじりなさんなと、動いた。

本官さんが帰ったあとで、家内が「副署長、先輩だった?」と。

僕は「いいや。K君の先輩や」

「そんなでたらめ、よう言うわ」

「成穂堂というたら、先方も分かるわな」

K君とはかつての仕事仲間だ。うちとの関わりも深い。

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ううっ、何を書こうとしていたのか?
       
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そう、その本官さんがボソッと言ったことだ。

「主たる扱い品目は何ですか?」

「本ですよ」と、僕が言うと

「へっ?」と。

「本はこじんまりと収まりますさかい、少なく見えますねん。これでも、数万冊はありますで」

本官さんは「ほぅ~、なるほど。でも本屋には見えませんね」と。

くそっ、痛いところをグサリとやりやがって。

やはり、本屋がリユース品を扱っているというより、

リユース屋が本を片隅に置いているように見えるのだ。

確かにそうだよな。本は売場面積の2割程だしな。

でも、数量で行くと話は違ってくるんだけどな。

何をもって主たる扱い品目と言うのか?

何れにしても、お客の目にはうちは奇妙なリユース屋としか映っていない訳だ・・・恐らく。

形はどうあれ、本を扱い続ける為にやってきた事が・・・

このまま流されてなるか!