陽のあたる場所をさがせ | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

陽のあたる場所をさがせ

5日、仕事始め。

さぼり癖がついてしまって、どうもペースがおかしい。

とりあえず、体慣らしの一日にしようと思ってたら、

意外にバタバタとして、昼食をとる時間もない。

夕刻、やっと食事にありつけると思った所に、

知人が紙バッグを提げてやって来た。

紙バッグの中には、5、6本ほどジーンズが入っていた。

あるコレクターズショップからの引き上げ品だと言う。

扱っていたのはブリキのおもちゃ、腕時計、スニーカー、ジーンズなど。



とても嫌な予感・・・



「KENさん、何でも買いますって看板あげましてんね」

「んっ?」

「んっ?ちゃいますやん。表の壁に貼ってますやん」

「えっ、なにが?」

「年末に『隙があったらかかってきなさい』て、強気な事言うてはりましたやん」

「誰が?」

「KENさんですがな」

「ええ~、僕が」と、言いながら僕は事務所を出ようとした。

「どこ、行きますねん?」

「ちょっとそこまで」

「あかんて、観念して話聞いてえなあ」

「・・・」

「適当に買い取ってきてんけど、正味、これ売れるかなあ?」

タグを見ると、Levi's505BIG-EやらDIBIなどとあり

5万円といったような値がついている。

所謂、ヴィンテージジーンズというものらしい。

「これで全部?」と、聞くと30本以上あると言う。

「ブリキのおもちゃは?」

「今の所、ジーンズだけ」

しかし、相当な金額だ。

頭がくらくらしてきた。

「残念やな~、うちは衣類、扱ってないねんな」

「そこに吊るしてますやん」

「あっ、あれ。あれは私服。干してるねん」

「・・・」

「・・・」

「分かった。こうしよ。委託で預かるわ。

そんでもって、売れたら精算しよや。ヒフティヒフィティでどや。

こんな高価な買取ないで」と、高飛車にでる僕。

「何か釈然とせんな。まあOKとしよ。オークションにも出してもらえる?」

「はいはい、了解」

という事で、話はま~るく?収まった。

しかし、こうして考えてみると

思う所があって本格的古書店を謳うべく、色々と扱いを切ってきたのに

ここに来てまた、幅を広げようとしている。



以前、師匠は僕に言った。

「KENさんは本についてはプロや。それをやめとは言わん。

でもな、どんなに撥ねようがどうしようが集まるものは集まる。

もうそれはしゃあないで。それが流れというもんや」

二兎を追うものとはまた違う。

流れとはそんなものなのか?

一体、僕はどこに行こうとしているのか?


『進むんだ止まっちゃいけない。だって陽のあたる場所は必ずあるから。そいつは誰にでも希望がある場所なんだ。貧しく不安な僕の心でも追っかける場所なんだ』スティービーワンダーはそう歌っている。



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