エネルギー噴射! | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

エネルギー噴射!

僕とその仲間は雪の中をTシャツ短パンで歩いていた。

雪に覆われた斜面を見上げると、ポツリと山小屋が見える。

煙突らしきものから煙が上がっている。

あの小屋にさえたどり着ければ何とかなる。


しかし、一歩踏み出した所に波のように雪が押し寄せてきた。

しまった、雪崩だ。こうなったら飛ぶしかない。

エネルギー噴射~!!

そこで、ハッと目が覚めた。

「うう~、さむい~」

掛け布団が薄かった上に、部屋のオイルヒーターの電源を入れ損ねていた。

折角、風邪が治ったばかりなのに、これはいかん。

時計をみると11時前。もう昼前だ。

風呂に入って体を温めるのが一番だよな。

湯を入れている間に、ハムトーストを作り、温かい珈琲を淹れた。

そして湯船に浸かりながら先ほどの夢の事を考えた。

夢というのは、大概いい加減なものだ。

Tシャツ短パンで冬山に登るやつはいないだろうし、何がエネルギー噴射だ。

それは一体どんなものだ?

でも、夢の中では何の矛盾もなく、本人は大真面目だ。



夕刻は二男の進路懇談があり、学校まで二男と家内を送り届けた。

待ち時間、僕は体育館に行き、剣道部の稽古を見学した。

今日は、顧問の先生も進路懇談という事で自主稽古らしい。

切り返しから始まり、かかり稽古。

クラブ独特の空気が懐かしい。

一通りかかり稽古が終わると、部長らしき子が、集合を掛けた。

で、部員が一斉にこちらを向いた。

誰かが来たのかと思い、僕も後ろを振り返った。

と勢いこちらに向かって走ってくるではないか。

部員たちがあっという間に、僕を扇型に囲んだ。

「ちわ~ス。お願いしま~す」

な、な、なんだ?どうした?

これは気の利いた事の一つや二つ言わねばならないようだ。

それも差し障りのない程度の事を・・・

「今日は、寒いね。いや、違う。

切り返しはね、ゆっくりでもいいから丁寧に大きくやりなさい。

スピードはね、その次に考えればいいです。よく頑張っていますね。以上」

「有難うございます」全員、礼。

「稽古に戻れ」部長がそう言った。

おお~、びっくりした。面がわれていたのか。

暫くすると、懇談が終わり、家内と二男がやってきた。

と、彼らを見つけた部員たちが、代わる代わる挨拶にやってくる。

これでは稽古の邪魔になる。引き上げようと言うのだが、

二男は食い入るように稽古を見ている。

間を見て部長が走り寄ってきて、二男に言う。

「ちわっ。先日の試合、男子は三位、女子は優勝でした。

男子は二位になれた試合だったのに惜しかったです」

その雰囲気を見ていて、いいクラブだったんだなあと感じる。


肝心の進路懇談の方である。

今の成績を維持すれば、志望校には行けるだろうとの事。

ただ、驚きの勢いで人気が上がっている高校なので、気は抜けないとの事。

つい先ほど、塾の先生からも電話があり、

「進路懇談はどうでした?大丈夫でっしゃろ」と。

「今の所はね。取り敢えず2、3日後に顔をだしますわ。悪巧みをしましょや」

「了解、了解、待ってますわ」

電話を切って僕は、家内を見た。

「ビール1ケースでいいよね。それとノンアルコールと」家内が言った。

さ~て、そろそろ本気で、進路を決めなくちゃ。

二男よ、何だか分からないがエネルギー噴射だ!


先日、このアニメの主題歌が入ったLPレコードが手に入った。果たしてこんなアニメを知っている人がいるのだろうか?