懐かしき逸品 | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

懐かしき逸品

前回、アンティークな雰囲気のランプを記事にしたが、

今回もアンティーク続編みたいになってしまった。

『逸品礼讃』という雑誌をみていて、目が釘付けになった。


$疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-逸品雑誌


そこには、『1948年製Wurlitzer1100』が載っていた。

殆どの方がなんのこっちゃと思われたと思う。

戦後の混沌としたした時代、日本が不撓不屈の精神で立ち上がろうとしていた頃、

アメリカで作られたジュークボックスだ。

今回取り上げた品は一品でなく、正に逸品である。


$疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-雑誌ジュークボックス


このジュークボックス、日本にはそんなに現存していないらしい。

まさかとお思いになるだろうが、かつてその一台が成穂堂にあった。

猫に小判、豚に真珠、成穂堂にWurlitzerである。

勿論、お客も「えらく古い機械があるなあ」くらいにしか思わない。

町のあちこちを飛び回って、本を集めていたり、

ゴミと見間違うような品物を持ち帰ったりするような店に置いてあっても

誰も気付かなくて当たり前だ。

子ども達に至っては美術品のように美しい機械に向かって、

「おっちゃん、このデカいの邪魔やな」という程度にしか映らない。

そして、大概、こんな会話になる。

「コラッ、ペシペシ叩くなっちゅうねん。やたら、ボタンを押すなっちゅうねん!」

「へぇへぇ、これ売ったら車でも買えるん?」

「当たり前やがな。あっ、叩くなっちゅうねん」

「ほな、家は?」

「家はなあ・・・そんな問題ちゃうがな。アッ、こら体当たりするな。ペシペシもするな」

まだ、ペシペシする子ども達。

「兎も角、触りなっちゅうねん」


記念に撮っておいた画像が見つからないので同型のものをYouTubeより拝借した



このジュークボックス、

二度目の引っ越し先があまりにも狭かった為、

泣く泣く手放してしまった。

一瞬、自宅に持ち帰ろうかとも思ったが、

重量が150kg前後あり、おもちゃを持ち帰るようにはいかない。

今の場所なら置いておけたのにと、悔やまれる。

結局、ジュークボックスをこよなく愛するコレクターさんの元に行った。




ここまで書いて、以前似たような記事をアップした事を思い出した。

が、ここまで書いてまったので、初出の如く筆を進める。

こうして振り返ると、新刊屋時代、店内には

'50~70年代のアメリカングッズが所狭しとあった。

風変わりな本屋だったと思う。

今を嘆く訳ではないが、いい時代だった。

やりたい事がやり易く、商売としてみても収益を上げやすかった。

まあ、そんないい時代を経験したのも何かの糧になのだろう。

その当時ほど、いいものは集まらないだろうが、

店の味付けにぼちぼち、骨董紛いの品を集めて行こうと思う。

店には遊び心が必要っちゅうこっちゃね。