二男の進路~その2 | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

二男の進路~その2

二話に分けてしまったけど、そんな大層な内容でもない。

成り行き上、書いてしまうが勘弁願いたい。

では、話は戻る。


「二男の進路の事ですねんけどね」

「そろそろ、学校の進路相談でっしゃろ」と、頷くように仰る先生。

「その通りで・・・」

「少し話を詰めましょか。明後日なら時間取れまっせ」

「それがね、進路希望調査は明日ですねん」

「えっ、明日?明日でっか?!」

「ハハハハ・・・」

と、まあ何だかんだとやり取りがあり、

私立と公立それぞれ候補校がいくつか出た。

全く視野に入れていなかった私立校の名がでたが、

北大阪で育った僕は、もう一つピンとこない。

それに、すでに長男の受験時とは状況が変わっている。

家内に聞くと、目立たない学校だけど、いいかも知れないという。

時間もある事だし、早速、外観だけでも見に行こうという事になり、

家内と二男を車に乗せて出発した。

向かった先は竣工間もない新キャンパス。

途中、ついでだから学校案内書を貰おうと電話を入れたら、

校内を案内して頂けるという事になった。

学校に着くと、守衛の方が出て来られ、

「○○さんですね。お待ちしておりました。

担当の者に伝えますので、お待ち下さい」と。

やがて年配の方がお二人現れた。



今時の学校は至極サービスがよい。

ある種、僕達はお客様なのだ。



新キャンパスは、おおよそ学校には見えない。

博物館や美術館といった建造物にみえる。

ガラス張りを多用したという事で、校舎内が明るい。

職員室もガラス張りになっており、廊下からその様子がよく分かる。

先生方がこちらを見て挨拶をして下さる。

案内をしてくださっているお二方は、

各々入試関係と進路指導の責任者という事だ。

きっと、若手の方は入試本番に向けての仕事に追われているのだろう。

その二人に挟まれるようにして移動していく僕たちを

ガラスの向こうの視線が追う。

オープンキャンパスでもないのに、

一体、何者なのだろうといった所か。

すれ違う生徒さんが必ず「こんにちは」と、挨拶をしてくれる。

なかなか、いいじゃないか。

応接室に通され、色々とお話を聞くにつれ、

Oさんが薦める理由が分かる気がした。

二男は、かなり興味を引かれているようだ。

問題は、この高校、競争率が尋常ではないほど高く、

勢い偏差値がはねあがっているという事だった。

これには、学校側も驚いているようだった。

進路指導の方が、

「専願を考えられていて、語学系資格やスポーツで

優秀な成績を修めた生徒さんは、有利になります」と。

僕はすかさず「スポーツで優秀とは?」と、訊ねた。

「お子さんは堺の中学校に通われていますよね。

例えば、堺だと泉北大会で入賞と言った感じですね」と。

僕はニンマリした。そして、

「こやつ、剣道部主将で、泉北大会3位を3度経験しています。

学代も3年間務めています」と。

「ほほぅ、それはいいじゃないですか。推薦に値しますよ。

実は剣道部は今年、新設したばかりなのです。

武道場も作った事ですし、文武両道を目指したいのです。

専願ですと有利に働きますよ」

そう言いながら、入試担当の職員さんが

先ほど記入してたアンケート用紙に何やら付け加えていた。

そして「是非とも、しっかり勉強をしてうちを受けに来て下さい」と。

家内はにっこりしながら「専願という事も視野に入れています」と、ひと押し。

お二人の顔がパッと明るくなったのを僕は見逃さなかった。

私立校というのはどうもこの専願という言葉に弱いらしい。


とは言っても、問題は二男の成績だよなあ。

受けるも受けられぬもその偏差値の跳ね上がり方次第だよなあ。


一通り説明を受け、僕達は学校をあとにしたが、

二男は、ずっと極上の笑顔である。

もう通う気満々みたいだ。

おいおい、公立高校はどうするよ。