間に合うかも知れない
腕組みをして、「これでいいんだ」と僕は呟いた。
ショーケースに置いていたシングルカードというものを撤去し、
プレミア品といわれる本を並べ、愛嬌で'50~'60年代のLPレコードを並べた。
殆どがR&Bのそのジャケットは全て壁に飾りたいほどいい味を出している。
店の様相がガラッと変わってきた。
商売をしているといつも順風満帆という訳にはいかない。
このご時世、サラリーマンの方も似たり寄ったりかも知れない。
思い返すに、僕は気がつくと店を持っていたという感じで、
何かこうメリハリがあるような独立ではなかった。
驚くほど計画性がないのだ。
取りあえず、気が付いた事から手をつける。
後は野となれ山となれという風だ。
そんな事でよくぞ今日までやって来られたものだと思うが、
それは、そんな僕を見るに見かねて
何人もの方が手を差し伸べてくれたからだ。
信じられないことが幾度も起こった。
話した所で、信じてもらえるような事ではない。
そんな事は小説の中でしか起こらないだろうって・・・
そういう意味では、僕は世の中の奇跡というものを信じている。
起こりうるから奇跡というのだ。
そしてそれは偶然になど起こらない。
とことん苦しんで、もうどうにもならないと腹を括り、
それでも血が滲むほど唇を噛み締めて動き出したとき、
それは、唐突にやってくる。
決して神掛かったものではない。
兎も角、以前にも書いたように僕は店のあり方を、
何度も何度も考え直して一つの決心をした。
どうして目に見えて斜陽化していく本屋に拘るのかと言われても
商売としてみた場合、論理的な回答はできない。
ただ、世の中にはなくなってはいけないモノがあるのだ。
本屋もその一つだと思う。
膨大な量の本が世にあるが、僕が持っている知識は砂漠の一粒の砂にも満たない。
でも、コツコツと色々な仕組みを作っていっている。
「アルケミストにでもなろうと言うのかい?」
僕の中で寝そべった黒づくめの僕が皮肉っぽく言う。
僕はフッと笑った。そして、
「まだ間に合うさ」砂埃のついたジーンスを払いながら僕は言った。
まにあうかもしれない
ショーケースに置いていたシングルカードというものを撤去し、
プレミア品といわれる本を並べ、愛嬌で'50~'60年代のLPレコードを並べた。
殆どがR&Bのそのジャケットは全て壁に飾りたいほどいい味を出している。
店の様相がガラッと変わってきた。
商売をしているといつも順風満帆という訳にはいかない。
このご時世、サラリーマンの方も似たり寄ったりかも知れない。
思い返すに、僕は気がつくと店を持っていたという感じで、
何かこうメリハリがあるような独立ではなかった。
驚くほど計画性がないのだ。
取りあえず、気が付いた事から手をつける。
後は野となれ山となれという風だ。
そんな事でよくぞ今日までやって来られたものだと思うが、
それは、そんな僕を見るに見かねて
何人もの方が手を差し伸べてくれたからだ。
信じられないことが幾度も起こった。
話した所で、信じてもらえるような事ではない。
そんな事は小説の中でしか起こらないだろうって・・・
そういう意味では、僕は世の中の奇跡というものを信じている。
起こりうるから奇跡というのだ。
そしてそれは偶然になど起こらない。
とことん苦しんで、もうどうにもならないと腹を括り、
それでも血が滲むほど唇を噛み締めて動き出したとき、
それは、唐突にやってくる。
決して神掛かったものではない。
兎も角、以前にも書いたように僕は店のあり方を、
何度も何度も考え直して一つの決心をした。
どうして目に見えて斜陽化していく本屋に拘るのかと言われても
商売としてみた場合、論理的な回答はできない。
ただ、世の中にはなくなってはいけないモノがあるのだ。
本屋もその一つだと思う。
膨大な量の本が世にあるが、僕が持っている知識は砂漠の一粒の砂にも満たない。
でも、コツコツと色々な仕組みを作っていっている。
「アルケミストにでもなろうと言うのかい?」
僕の中で寝そべった黒づくめの僕が皮肉っぽく言う。
僕はフッと笑った。そして、
「まだ間に合うさ」砂埃のついたジーンスを払いながら僕は言った。
まにあうかもしれない