青年は荒野をめざす! | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

青年は荒野をめざす!

夕方、長男からメールが入った。

そこには『バイト受かる』と短い文字があった。

心なしか文字が小躍りしているようにも見える。

先日、後輩から

「KENさんの自宅近くの店舗でバイトの募集が始まるとの事です。

段取りをしておきますぜ。お任せを!」

と、連絡を受けていた。

こんな田舎町では、なかなか思い通りのバイトはない。

本屋となると尚更だ。

今回、何となく禁じ手を使ったような歯切れの悪さはあるが、

コネというのは有り難いものだとも思う。


一昔も二昔も前、スーパー資本のこの書店立ち上げ時に、

僕は酔狂な役員に拾ってもらった。

目指す所があり、入社7年程で会社を辞したが、

よい仲間に恵まれたと思っている。

残念ながら創業当時間もない頃のメンバーは殆ど残っていない。

今にして思えば、意思のはっきりした連中が多かった。


少し余談になる。


長男は特別推薦入学とかいうもので、

去年の晩秋には進学が決まっていた。

そして年明け1月より、彼ら対象にプレ講義みたいなものが始まっている。

レポート課題も定期的に送られてきており、

すでにアワアワしている。


どの大学を選ぶかにあたっての長男の基準は、

少しユニークなものだった。

都心部に出ずに済むこと。

所在地が出来るだけ長閑な地域であること。

満員電車に乗らずに済むこと。

これを踏まえた上で、心理学を学べること。

高校入学時は、外大に行きたいと言っていたが、

いつの頃からか興味が薄れたらしい。

それが、確固たる意思によるものではなかったにしろ、

僕も家内も、それは長男にとってよい選択だったと思っている。




長男はこれから、学校、新刊書店でのバイト、家業の手伝いと

かなり多忙なものになる。


しかし、我が古巣に息子が世話になるなんて思いもしなかった。

それ以前に長男が本屋でバイトをしたいと言い出すとも思わなかった。

どうやら、新刊書店より古本屋の方に興味があるようだが、

まず、新刊書店で修行をしてほしい。

いやいや、学業が中心だろ。

いずれにしても縁の不思議さと共に感慨深さを感じる。


長男よ、線路に沿って歩けるのはここまでだ!

唇を噛みしめ、大空を見上げ、大地を踏みしめ歩いていけ!

やがて、ひ弱なその脚にも肉がもる。



この曲は作詩者である五木寛之の同名の小説をモチーフにして制作された。
僕は学生時代にこの小説に出会い、この曲との関わりを知った。
当時、単行本を探して歩いたが、とうに絶版で見つけられなかった。



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