必見!稀少本入手す!
ちょっと面白い本が手に入った。
著者、書名共に有名すぎるくらい有名な本だ。
だけど、この装幀のものをご覧になった事がある方は、
そんなに多くはないように思う。
事の成り行きは、ご近所さんからの電話だった。
便利屋をしている知人が、
急ぎで本の引き取り先を探しているとの事だった。
いざその便利屋さんにお会いしてみると、
どこか見覚えがある。
先方さんの方が、よく覚えておられて、
「おひさしぶりです。店を引き払われていたので、
てっきりおやめになったと思っていました」と。
そんなこんなで、今後、本の引き取りを任せて頂ける事になった。
本が集まりにくくなっている昨今、有難いことだ。
僕はそのしっかりした鉄筋の建物を見上げながら、
ご縁とは不思議なものだと、思った。
便利屋KDさんも、同じように建物を見上げ、
「苦労の連続でしたが、多少こましな商売をさせて貰うようになりました」
と、苦笑いされた。
便利屋KDさんに限らず、何かを確実に掴んでいく人々をみると
血のにじむような努力を惜しまないように思う。
そして、そこには誰に対しても恥じない生き方がある。
そう思うと、ひょろひょろと、どこまでも甘い自分が情けなくなった。
冒頭での話が、飛んでしまった。
どうも僕は、話が逸れ気味でいけない。
今回、引き取らせて頂いた中の一冊が、これだ。
状態は、良くない。
表紙の傷みが激しい。
ご覧頂いて、お分かりになるだろうか?
ページ内は、そんなに傷みはなく、充分に読める。
現物はもう少し、黒ずみはましである。
金箔のネコを取り囲む薄っすらと赤い枠にはネズミがいる

裏表紙には金箔の対カマキリ

背表紙の下部には「夏目漱石」の落款印を模したものがある

『吾輩ハ猫デアル』の「縮刷本」である。
版元は大倉書店。当時、日本屈指の版元だったらしい。
縦15cm、横9cmの三五版で、厚さは2.2cm。
ほぼ幻冬舎文庫のサイズだ。
一般的な文庫サイズより、やや細身だ。
しかし、これだけ見事な装幀のものがよく作れたものだと驚く。
手にとって、そっとページをめくると、こば折れの部分がいくらか剥がれ落ちていた。
保管状態が良くなかったのか、経年劣化で仕方なかったのか。
剥がれ落ちた切れ端を手にとってみると、
革装と思っていたが、どうやら革に見せかけた紙装のようだ。
調べてみると、やはり革装のものは発行されていない。
天には金箔が施されている。
装幀は菊判三分冊の単行本と同じく橋本五葉によるものだ。
752頁には橋本五葉による猫がビールを飲んでいる絵がある。


「縮刷本」の初版は、
明治四十四年六月二十七日印刷、明治四十四年七月二日発行。
正價金一圓三十錢。
手元の本は大正六年八月四日発行の三十三版。
同じく、正價金一圓三十錢。
現代の価格に換算すると3~4千円あたりだろうか?
随分、高価な文庫本だ。
こうして書くと、
まるで、古書店一端の目利きでっしゃろ。
その実、僕はそんなに目利きは達者ではない。
即断できるのは、ごく限られたカテゴリーのものだけだ。
大概、ちょっと預からせてもらえまっか、と言って、
それから、アタフタと調べることになる。
成穂堂のキャラクターは「ネコ」である。
それに因んで、この本はショーケースに飾ってある。
ご覧になりたい方はどうぞ弊店まで・・・

著者、書名共に有名すぎるくらい有名な本だ。
だけど、この装幀のものをご覧になった事がある方は、
そんなに多くはないように思う。
事の成り行きは、ご近所さんからの電話だった。
便利屋をしている知人が、
急ぎで本の引き取り先を探しているとの事だった。
いざその便利屋さんにお会いしてみると、
どこか見覚えがある。
先方さんの方が、よく覚えておられて、
「おひさしぶりです。店を引き払われていたので、
てっきりおやめになったと思っていました」と。
そんなこんなで、今後、本の引き取りを任せて頂ける事になった。
本が集まりにくくなっている昨今、有難いことだ。
僕はそのしっかりした鉄筋の建物を見上げながら、
ご縁とは不思議なものだと、思った。
便利屋KDさんも、同じように建物を見上げ、
「苦労の連続でしたが、多少こましな商売をさせて貰うようになりました」
と、苦笑いされた。
便利屋KDさんに限らず、何かを確実に掴んでいく人々をみると
血のにじむような努力を惜しまないように思う。
そして、そこには誰に対しても恥じない生き方がある。
そう思うと、ひょろひょろと、どこまでも甘い自分が情けなくなった。
冒頭での話が、飛んでしまった。
どうも僕は、話が逸れ気味でいけない。
今回、引き取らせて頂いた中の一冊が、これだ。
状態は、良くない。
表紙の傷みが激しい。
ご覧頂いて、お分かりになるだろうか?
ページ内は、そんなに傷みはなく、充分に読める。
現物はもう少し、黒ずみはましである。
金箔のネコを取り囲む薄っすらと赤い枠にはネズミがいる

裏表紙には金箔の対カマキリ

背表紙の下部には「夏目漱石」の落款印を模したものがある

『吾輩ハ猫デアル』の「縮刷本」である。
版元は大倉書店。当時、日本屈指の版元だったらしい。
縦15cm、横9cmの三五版で、厚さは2.2cm。
ほぼ幻冬舎文庫のサイズだ。
一般的な文庫サイズより、やや細身だ。
しかし、これだけ見事な装幀のものがよく作れたものだと驚く。
手にとって、そっとページをめくると、こば折れの部分がいくらか剥がれ落ちていた。
保管状態が良くなかったのか、経年劣化で仕方なかったのか。
剥がれ落ちた切れ端を手にとってみると、
革装と思っていたが、どうやら革に見せかけた紙装のようだ。
調べてみると、やはり革装のものは発行されていない。
天には金箔が施されている。
装幀は菊判三分冊の単行本と同じく橋本五葉によるものだ。
752頁には橋本五葉による猫がビールを飲んでいる絵がある。


「縮刷本」の初版は、
明治四十四年六月二十七日印刷、明治四十四年七月二日発行。
正價金一圓三十錢。
手元の本は大正六年八月四日発行の三十三版。
同じく、正價金一圓三十錢。
現代の価格に換算すると3~4千円あたりだろうか?
随分、高価な文庫本だ。
こうして書くと、
まるで、古書店一端の目利きでっしゃろ。
その実、僕はそんなに目利きは達者ではない。
即断できるのは、ごく限られたカテゴリーのものだけだ。
大概、ちょっと預からせてもらえまっか、と言って、
それから、アタフタと調べることになる。
成穂堂のキャラクターは「ネコ」である。
それに因んで、この本はショーケースに飾ってある。
ご覧になりたい方はどうぞ弊店まで・・・
