本をめぐる冒険 | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

本をめぐる冒険

「おぉ~」と、僕は唸った。

駅前の小さな本屋さんに寄った時のことである。

雑誌を面差ししてある什器のガラス越しに

こちらをみている人物がいる。

僕は、魅入られるようにそちらに近づき、

その人物の描かれた雑誌を手に取った。

『ケトル』という雑誌?だ。

2011年4月創刊で隔月刊で発売されている・・・らしい。

VOL.08 8月 August2012と記載されていたので、

返品漏れか?と思い、本の裏を見てみた。

ここらが元新刊屋の哀しい性である。

本来、雑誌には雑誌コードというものが振られている。

バーコード491から始まるものである。

共にその付近のどこかしらに昔ながらの

「雑誌12345-08」みたなものが印字されている。

『ケトル』には雑誌コードはなく

書籍コードであるISBNコードとCコードが振られていた。

Cコードは分類コードと呼ばれ『ケトル』は「C0095」となっている。

これは「一般-単行本-日本文学、評論、随筆、その他」を意味する。

つまり『ケトル』は雑誌のように見せかけた書籍なのである。

それがどうした?と言われても困る。

『ケトル』の戦略的な事を聞かれると尚更困る。

僕は、ただの古本屋のオヤジである。


話を『ケトル』の表紙に描かれた人物に戻す。



$疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-ケトル


独特なタッチのイラストだが、みた瞬間「村上春樹」氏と分かる。

しっかり表紙をみると、青地に白抜きの文字で「村上春樹大特集」とある。

パラパラとページをめくってみたら、その切り口が面白い。

去年だったか、「村上春樹全作品集」という本を買い損ねた残念さがある。



これを買わずに帰ってはいかん。

VOL.09が出ているのに、バックナンバー(といっていいのか)として

陳列されているのだ。

或いは、先程も書いたが、単なる返品漏れか。

いずれにしても、僕に見つけてもらうのを、ずっと待っていたに違いない。

で、ハッと気がついた。

最近、仕事に追い倒され、どうもリズムがよくない。

いやいや、仕事が嫌なのではない。

趣味が仕事になったようなものだから、

これほど贅沢なことはない。

だけど、読みかけの本がページをめくられずに

何日もあるというのはどうも宜しくない。

バランスよく楽しんでこそ人生というものだ。



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