心より感謝を込めて | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

心より感謝を込めて

夕刻、静寂を引き裂くように店の電話が鳴り響いた。

静寂というのが、何とも哀しい。

このところ、学校行事やらテストやらで、

子どもたちがやってこないのだ。

大体が通販用の在庫置場として借りた所なので、

がやがやお客が入ってくるほうが、おかしい。

兎も角、電話である。

家内が、電話に出て、何やらしゃべっている。

誰ぞが今、こちらに向かっているのだが、

どうも道に迷ったという事らしい。

家内は、自転車で自宅近くのスーパーに行くと言って、

勢い真逆に走り出す人である。

早く電話をかわらないと、あさっての方向を案内しかねない。



「突然、顔をだして驚かそうと思ったのに、

どうにも道が分からなくなったのよね。おしいなあ・・・」

と言いながら、軽快な足取りでやって来られたのは、

ブログでお世話になっているPさんだ。

差し障りがあるといけないので、Pさんと呼ばせて頂く。

先日、うちに入った絵本をみると共に

ご自宅の本を整理したという事で、わざわざお持ち下さった。

「幼い頃から、父がお土産がわりに毎日のように本を買ってきてくれた。

そんなこんなで、私は本の虫になってしまったのよ」

と、嬉しそうにお話されるPさん。

その読書量というのは中途半端ではない。



1時間ほどお話させて頂いたが、波乱万丈の人生を歩んでいらっしゃる。

しかし、とてもエネルギッシュで明るい。

何よりも、苦しさを経験したものだけが持つ、力強さと優しさを感じる。

僕は人はこれだけ前向きに生きる事もできるのだと驚いた。



Pさんはおっしゃった。

「まだ来ぬ明日を考え、思い悩んで何になる?」

「今日一日生きていたという事に感謝すべきでしょ」



僕はPさんに「どうしてそんなに精力的に動けるのか?」と問うた。

正に愚問である。

「誰しも明日、生きていると限らない。

思い悩んでやらないとすれば、残るのは後悔だけでしょ」と。



Pさんは、どのような過程を経てそんな強さを持てたのだろう?

或いは、時には折れそうな心を鼓舞して立ち上がっているのだろうか。

いや、きっとそうなのだろう。

Pさん、僕はあなたのように強くはなれないでしょうが、

泣きながらでも、あなたのように前向きに生きていこうと思いました。

沢山のエネルギーをこの店に残し、Pさんは帰って行かれた。

今日、こうしてお話ができた事をどう感謝していいのか分からない。

本当にお会いできてよかった。

Pさんを見送りながら、

僕のつたない記事を読みに来てくださるみなさんに、

僕は知らず知らず、エネルギーを頂いているんだと改めて思った。

あとになると、きっと照れくさくて書けなくなってしまうだろうから、

今書いて、アップしてしまおう・・・

いつになく殊勝な事を考える僕である。


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