夜の成穂堂
事務所と自宅でそれぞれ
パソコンの入れ替えを行っている。
作業の方はどうしても仕事が終わってからになる。
しかし、照明を落としたあとの店内というのは、
どことなく不気味である。
店内は、非常灯も点いていないので、
僅かに事務所からもれる蛍光灯の明りが
その周辺を、ぼんやり映し出すだけだ。
事務所から店内に身を移すと、
冷え切った空気と漆黒の闇が身にまとわりついてくる。
目を凝らして闇の奥底を見ていると、
見えてはいけない異界の住人たちが、息を潜め
こちらの様子を伺っているような気がする。
人の脳とは複雑でもあり、余りにも単純だったりする。
そんなつまらない事にだけは、僕の脳は活発に働き出す。
やがて闇の中からどんどん魑魅魍魎が躍り出てきている
気配がし出すのである。
ついには本当にいるのじゃないかと
「見えない誰かさん」と呼んでみたりする。
よせばいいのに、
店内の一番暗い場所にわざわざ行ってみたりもする。
周りから見ると、随分滑稽だろうけど、
本人は、結構ドキドキしている。
闇の中から赤や青に光る目が見えたら、
僕はどこに向かって逃げればいいのか?
やはり、灯りのある事務所か。
或いは、勢いシャッターを開けて外へ飛び出すか。
ここは異界とうつつが交わる場なのだ。
すごい状況になってきたと思った所に、
家内から電話が入った。
びっくりするではないか。
魑魅魍魎たちも、さっと闇の向こうに消えてしまった。
受話器の向こうから
「もうすぐ夜ご飯をつくるけど、そろそろ帰ってきたら」と。
うつつに舞い戻ってしまった。
先ほどの鬼気迫る感覚にはもうなれそうにない。
魑魅魍魎も住みにくい時代になったものだ。

パソコンの入れ替えを行っている。
作業の方はどうしても仕事が終わってからになる。
しかし、照明を落としたあとの店内というのは、
どことなく不気味である。
店内は、非常灯も点いていないので、
僅かに事務所からもれる蛍光灯の明りが
その周辺を、ぼんやり映し出すだけだ。
事務所から店内に身を移すと、
冷え切った空気と漆黒の闇が身にまとわりついてくる。
目を凝らして闇の奥底を見ていると、
見えてはいけない異界の住人たちが、息を潜め
こちらの様子を伺っているような気がする。
人の脳とは複雑でもあり、余りにも単純だったりする。
そんなつまらない事にだけは、僕の脳は活発に働き出す。
やがて闇の中からどんどん魑魅魍魎が躍り出てきている
気配がし出すのである。
ついには本当にいるのじゃないかと
「見えない誰かさん」と呼んでみたりする。
よせばいいのに、
店内の一番暗い場所にわざわざ行ってみたりもする。
周りから見ると、随分滑稽だろうけど、
本人は、結構ドキドキしている。
闇の中から赤や青に光る目が見えたら、
僕はどこに向かって逃げればいいのか?
やはり、灯りのある事務所か。
或いは、勢いシャッターを開けて外へ飛び出すか。
ここは異界とうつつが交わる場なのだ。
すごい状況になってきたと思った所に、
家内から電話が入った。
びっくりするではないか。
魑魅魍魎たちも、さっと闇の向こうに消えてしまった。
受話器の向こうから
「もうすぐ夜ご飯をつくるけど、そろそろ帰ってきたら」と。
うつつに舞い戻ってしまった。
先ほどの鬼気迫る感覚にはもうなれそうにない。
魑魅魍魎も住みにくい時代になったものだ。
