選択の不思議 | レトロショップ成穂堂ケンの苦悩と爆笑の日々

選択の不思議

「やはり、古本屋さんは古本しか読まないのですか?」

と、素朴な疑問を投げかけられる事がある。

「その通り」

と、言いたいが、やむを得ず新刊本を買うこともある。

新刊屋にふらっと寄って、

鉄則の掟を破って買ってしまう事もある。

古書業界では、この行動を〝ふら買い〟と言う。



ハイハイ、でたらめです。ウソです。



つい先日は、不覚にもこのふら買いをしてしまった。

「選択の科学~シーナ・アイエンガー」

副題にコロンビア大学ビジネススクール特別講義とある。

この本、1年以上前に発売されており、

以来、蟻地獄のように、店に転がり落ちて来るのを待っていた。

ところが、待てど暮らせど入って来ない。

近場の古本屋でも見つけられなかった。

流石に、ここらで手に入れておかないと、

読む気が失せると思っていた。

で、買い物ついでに立ち寄った新刊屋で見つけてしまった。



$疾走する古本屋!成穂堂〔なるほどう〕店主の苦悩と爆笑の日々-選択の科学




新刊屋時代、こんなことがあった。

ある種の本がよく売れた。

例えば、ここでは、料理本としよう。

そこで考え付く限り料理本を増やして売り場も拡張する。

物すごい迫力だ。

お客も、スゴイねえと言って、その売り場の前に立つ。

売り場の前に立つお客は、以前より遥かに増えた。

売上は多少増えるが、さほどの効果はない。

その内、以前と変らなくなる。

坪当たりの売上高にすると、逆に売上が下がったようなものだ。

今度は売り場を元の大きさにして、

その中から推薦したいものの表紙をみせる。

或いは何冊も積む。

表紙をみせて面積を取られた分

元の品揃えより貧弱になっている。

にも関わらず売上は伸びる。

種類が多いと選び放題にみえるが、

お客に迷いが生じる。

表紙をみせて目につかせると、それ自体も売れるが、

どうもそれを基準に他のものと

見比べるという事もあるようだ。

理に適っているようないないような・・・

この店だけ?不思議だった。


人はどのように物事を「選択」していくのか?

「選択」に至る過程には、

人がどのような環境で育ったかも大きく影響をしている。

また、自らの意思で「選択」しているかにみえても

巧みに「選択」を誘導されている。

など、興味深いことが書かれている。

その時、僕が持った疑問の答えもここにある。

なかなか、面白い1冊だ。

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