常連さん
馴染みの大学生がコミックを売りにきた。
ざっと見たけど、ちょっときびしい・・・
僕は「マサル。ちょっとあかんで、これはあかんわ。うちによう売らんほどあるし、状態が悪すぎるわ」
「やっぱ、そうすか。無理っすよね。ほしいコミックの資金の足しにしようと思ったんすが・・・」と、マサル。
僕はしばし考えて言った。
「何のコミックがほしいん?」
マサルは自分の店かのように、僕を案内した。「このセットやねん」
「こんな古いコミックがほしいんかいな」僕は、頭をかきながら言った。
「そうやねん。ボク、この話し好きやねん。どこにでもありそうやけど、結構ないねんな、これが」と、マサル。
「多分、あまりにも売れないんで、どの店も廃棄してしまうんやろね」と、僕。
マサルは「また出直してくるわ。ありがとう」と言って、持ってきたコミックを紙袋にしまいこもうとした。
僕は「マサル、持ってきたコミックと、ほしがっているコミック、交換しよか」と言った。(あ~あ、言ってしまった)
マサルは「ホンマ!ホンマに!」と小躍りしている。
「なにわ商人に二言はない。もって帰り」
どこが商人や。物々交換してどうすんねん。しかも、恐らく商品として店に出せない本と。
これだから、商売にならない。どうしてこんな展開になってしまうんだろう。
自分でもため息がでる。