卒業式の朝。
いつものように彼氏の神山くんが迎えに来る。でも、口数が少ない。
きっと今日が卒業式だからだ。
ワタシと神山くんはクラスがちがう。
ワタシの一目惚れで、友達を通して話すようになり告白した。
それからもう、1年半がたつ。
卒業後の進路はバラバラだ。というか、神山は地元を離れていく。
ワタシは聞いたときは応援するね。なんて言ったけど内心とても戸惑った。
学校に着けば卒業式ということもあり、3年の教室の前には後輩たちが群がっている。
神山はモテる。後輩たちがほっとくわけがない。いつものこと。
そう思い神山くんと別れ自分のクラスへ入る。クラスに行けば自分の友達がいて、もう会えなくなるねなんて話して寂しくもなる。
卒業式の最中は学校で過ごした3年間を思い出して涙ぐんだりもした。
式が終わると、また後輩たちが教室前にやってくる。
ワタシは部活もしてないので、後輩にも関わってこなかった。なので誰かに呼び止められることもなくスムーズに玄関までこれた。
なのに。
ちょっと、まっててくれへん?
神山くんがワタシを呼び止めた。
できれば、会いたくなかった。中途半端が嫌いな彼。なんとなくわかってる。振られるんだろうと。
おまたせ!しゃ、いこか?
ワタシの手を取りゆっくりいつもの道を歩いていく。もう、これが最後なのか。
そう思うと自然に涙が出てきた。神山くんはそれに気づき驚いている。
なした!?なんで泣いとるん!?
ワタシ振られるの?神山くん?私たちこれで終わり?
そう聞くと神山くんは少し怒ったような顔をした。そして
なんで?なんでそんなこというん?俺と別れたいん?嫌いになったか?
って。そんなわけない。嫌いになんてなれない。でも、言葉にならなくて首を横に振ることしかできなかった。
なら、なんでそんな事いうん!?俺は離れても別れたりせえへんよ!距離なんて関係ない!俺が好きならそれでええやん!!
神山くんは、そう言ってワタシの事を抱きしめた。
ワタシは涙が止まらなくて、ただただ抱き返すことしかできなかった。