プチクラブ☆小5の笑顔

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第2話~小5の放課後~|プチクラブ

~架空のSNS、“maxi”を利用して徹底的なイジメを行う小5女子を描いたフィクションです。第2話!~
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午後3時。夕日に照らされた4つの赤いランドセルが、静かに小道の上を揺れている。

夏子、ゆい、久美、加奈は、それぞれの携帯画面を見つめ、黙々と歩く。ランドセルのかさむ音だけが、時折小さく聞こえる。


「ゆい? maxiプロフに、写真貼ったほうがいいよ」
やおら夏子が声を出した。

「そうだね」
久美と加奈がほぼ同じく答える。

「あたしがやってあげるよ!」
「あ・・・」
ゆいが何かを発する間もなく、夏子はゆいの携帯を取り上げ、ボタンを素早く押した。

「とりあえずこれでいいんじゃない?」
プロフ画像欄に、サイトからコピーしたアニメキャラの写真が張られていた。

ゆいはその画像と、夏子の顔を交互にまじまじと見る。
夏子の自信あふれる目を少し長く見た後、

「うん。ありがと・・。」
小声で答えた。


再び4人が沈黙の歩みを開始した直後、
「まってよ~!」
後方から声がした。

4人が振り向くと、1人の少女が彼女らに向かって走りがかっていた。
丸い体を揺らし揺らし駆け寄るのは町田千明。

夏子らにどうにか追いつき、
「お掃除早く終わったの。一緒に帰ろ!」
息を切らせながら言った。

「・・・・」
4人は一瞬黙る。

そして
「うん。一緒に帰ろう」
夏子が落ち着いた笑顔で答えた。



千明を加えて5つとなった赤いランドセルは、横に列を作りゆっくりと移動する。

「明日ね、ママとラズヘリのリップクリーム買いに行くの」
千明が言う。
「いいなぁ。買ったら見せてね!」
夏子が答える。

「ラズベリの限定デニムバッグ、出てるよね?」
加奈が問いかける。
「うんうん!あれも欲しい!」
千明、夏子、久美がほぼ同時に答える。
少し遅れて、ゆいが小さくうなずく。

5人の他愛もない会話は、小5らしいありふれた平和な風景。
それはしばらく続いた。


やがて、
「今日あたし塾だから、こっちの道から帰るね。またね! ばいばい!」
「ばいばい」
夏子らが返す間もなく、千明は手を振り勢いよくその場を去った。



千明のいなくなった4人には、再び静寂が訪れた。
さきほどまでの楽しげな会話が嘘かのように、ひっそりとした4人の行進が続く。

と、夏子が携帯を取り出した。それに呼応するように、ゆい、久美、加奈も携帯を取り出す。

4人は無言で携帯をいじりだした。
小さなディスプレイを見つめながら、沈黙の歩行は続いていく。

と、
「コミュに行って。トピ立てたから」
夏子が声を発した。

その声に答えるように、全員“プチクラブ☆へと飛ぶ。


【チアキがウザすぎる件について】

新着トピックが立っていた。


書き込み1 なつこ
“アタシたちの輪に加わってくるんじゃねーよ! 一人で帰れっつーのw”

書き込み2 くみ
“だよね~。Uzee www”

書き込み3 かな
“デブスなくせしてリップクリームとか言ってるしwwwww”

声を出さずの、書き込みによる会話が続く。レスは20番台まで伸びている。
だが、ゆいだけは何も書いていない。


「書き方分かる? 一番下のところで書いて、確認ボタン押せばいいんだよ」
夏子にそう言われたゆいは、しばらく考えるような顔をした。

そして、

書き込み27 ユイ
“あの女ギザ゙ウザス。シンデ欲しいwww”

「あははは!!」
書き込みを見た3人は、実に楽しそうな笑い声をあげた。次いで携帯から顔を上げ、少女らしい素直な微笑みをゆいに向けた。

「・・・」
ゆいはただじっと、携帯画面を見つめている。
まぶしい夕日がゆいを包み込み、丸いめがねにオレンジの光が反射した。

つづく

第1話~小5の日常~|プチクラブ

~架空のSNS、“maxi”を利用して徹底的なイジメを行う小5女子を描いたフィクションです。第1話。~
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「あのね、maxiは18才未満はやっちゃいけない事になってるの。あたし達が小5だってことがばれたら、絶対ダメなわけね。アカウントを消されちゃうの!
だから、学校の事とか、あたし達の年齢が分かるようなことは、ぜ~ったいに書かないでね!!」

谷崎夏子は教室のすみで携帯を勢いよく叩きながら、そうまくしたてた。肩上までのセミロングが小刻みに揺れ、赤みがかった頬をリズミカルに撫でる。
  
「うん・・。わかった・・・・」
  
自分の携帯に視線を落としたまま、塚本ゆいは小さな声で答えた。
腰まで伸びる真っ直ぐな黒髪が、色白い顔をより一層引き立たせている。その顔を半分ほど覆う丸めがねには、ディスプレイの光が薄く映りこむ。

と、彼女の携帯画面が、メール着信を知らせるにぎやかな映像に揺れた。


“なつこさんからmaxiの招待状が届いています”
 
  
「とどいた!?」
「うん・・・」
「だったら、そこに書いてあるアドレスにいって、とりあえずプロフ作って!」
「うん・・・」

ゆいは言われたままにURLをクリック。maxiにアクセス。
表示に従い簡単なプロフを作る。
 

ニックネーム:ユイ
年齢:18
  

「作った!?」
「うん・・・」

夏子はゆいのページへとアクセスし、内容を確認。

「OK. OK。じゃあコミュに招待すっから。maxiのメール見てみて」
一度も携帯から顔を上げずに、夏子はゆいをせき立てる。

ゆいはmaxi内のメールを開く。


“なつこさんからコミュニティの招待状が届いています。
プチクラブ☆に参加しますか?”


「その“参加”っていうとこ、押せばいいから」
「うん・・・」
ゆいは従い、maxi内コミュニティ・プチクラブ☆へと飛ぶ。

【あたしたちのグループのコミュです。遊びの予定とかはここで相談しましょう!】

コミュの説明欄にはそう書いてあり、画面左上にはローティーンアイドルの派手な画像が貼りついている。

「久美と加奈はもうコミュに入ってるから」

ゆいが画面をスクロールすると“メンバー一覧”があり、そこに“くみ”と“かな”の文字が見えた。


「めっちゃウケるもの見せてあげる!」
依然携帯を見つめたままの夏子が、楽しげな表情で言った。

「トピック欄にある“ウザいヤツ”のところをクリックしてみて!」

ゆいは言われたままに、コミュ内“新着のトピック書き込み”の中にある“ウザいヤツ”をクリック。

そこには一枚の画像があった。

体育着に着替え途中と思われる、下着姿の少女の写真。盗撮されたような写真だが、顔は分かる。同じクラスの町田千明だ。

「この前あたしが隠し撮りしたの。ちょうウケるっしょ? バレないように撮るの、大変だったんだよ! すぐ削除すっから、今のうちに見といてね!」

ようやく携帯から顔を上げた夏子は、無邪気な笑顔をゆいに向けた。

つづく。

第2話↓

http://ameblo.jp/pucu/entry-10023540463.html