いま出来ること。
途中までもらった台本を明日までに全部覚える。
それだけ。それが最善。
いまの稽古場のフワッとした空気も台本が最後まで渡されれば変わるかもしれない。
そうは思っても。
このままじゃマズい。
時間がない。
本気でやらない稽古に意味なんてあるのか?
でも正式団員でもない私が稽古場を引っ張るなんておこがましい。
そもそもそんな実力がない。
この焦りを消化する手段が見つからない。
前回のフリバティ公演『ZOCK』よりは余裕で時間があるはずなのに。
なぜこんなに焦るんだろう。
まずは私自身がしっかり『役』としてこの台本を生きられるようにならなければ。
口ではなく、演技で示せるように。
そんな役者になりたい。
そのための一歩として誰よりも先に台本を覚える。
出来ることなら全員の台詞を。
これだけのページ数なら不可能じゃない。
何でもいい。
誰よりも先へ。
そのための、
いま出来る最善だ。
それが出来れば今の自分を認めてあげられるのかな…?