前回は体を動かす、練習する時の心と体のONとOFFについて書きました。
それが武術の場合だと、どんな意味合いがあるのかを僕の考えを書きます。
まだまだ良く理解できていない事が沢山あるので、指摘やアドバイスがあれば是非ともお願いします。
さて、詠春拳にはチーサオという組手やスパーリングの様な練習方法があります。
系統によって異なるかもしれませんが、チーサオの練習目的は大きく分けて4つになります。
・相手と触れた状態での攻防から得られる感覚を養う。(Sensitivityの強化と言っています)
・型から学んだ技術の応用を対人練習を通じて学ぶ。
・実際に動く相手と練習から自分のポジショニングを感覚として習得する。
・相手の動きに臨機応変に動ける、平常心を身に付ける。(緩急、虚実という事?)
上記の項目で、僕が考える心と体のONとOFFが特に求められるのは、最後の「臨機応変、平常心」かと思います。 これは非常に奥深くて、僕自身が出来ているか正直微妙です。
練習相手と両手を合わせた状態から攻防練習するのがチーサオなんですが、常に身構えた状態だと長時間練習できません。また、逆に常にリラックスした状態だと相手の動きに反応できずに練習相手に振り回されてしまいます。 つまり心と体の緩急が重要です。
瞬間的な緊張や筋力での踏ん張りで相手を制するには限界がありますし、相手の動きに即座に反応するのにもそれだけでは難しいです。そこで型で身に付けた、全身の協調や姿勢で相手を制するという事が必要になる訳ですが、これも実力差が無い相手だと力比べになります。
対応方法の一つに型で養った全身の姿勢を維持し、全身を繋ぐのがONであるならば、時にはOFFにするという事があります。 ONとOFFを自在に使い分けるって感覚的な話ですが、手足を触れ合うような状態で攻防練習を続けると、相手がONなのかOFFなのかが何となく分かるようになります。(実際には、お互いに動く状態での話ですから非常に難しいです(涙))
相手のOFFの状態が「隙」なのか「誘い」なのか、これを瞬時に感覚で掴めるようになるのがチーサオでは重要です。 逆に言えば自分の体の一部をあえてOFFにする事で相手を誘うという事も出来る訳ですが、頭で考えていては対応も応用も難しい。
ONとOFFは意識と無意識の中間、微妙な心身の状態で行われるとしか言いようがないです。
武術はある意味、打つ・守るというシンプルなものです。 しかし、相手が有っての話なので心と体の活用は勿論ですが、意識や身体能力を超えた何かが必要なのかもしれません。
これが技の虚実それとも虚実の一部なのか…、格闘技でいうところの試合運びなのか…、でも意識すると相手に読まれるし…、考えすぎですかね。
練習も人生も常にONだとしんどいです。 今は分からない事もいつかは理解できるようになると思って、気楽に楽しく続ける事で上達できればと僕は思うようにしています。
さて、正直なところ、一人での練習がほぼ一年続いています。 このままだと「独りよがりになるんじゃないか」とか、「人と接する感覚が無くなるんじゃないか」といった不安でいっぱいです。 僕だけでは無いと思いますが、長引くとやっぱり心が「ささくれ」てきちゃいますよね。
長丁場になって正直しんどくなってきましたが、皆様お互いに乗り切りましょう!