こんにちは、おっさんです。

今回も前回の続きです。

昨日、息子をしかりつけました、それもかなりきつめに

それが良いことなのかどうかは別として

それを機にこの試験何としても合格したいと

改めて強く思いました。

 

 第三者のためにする契約がなされた場合において、当該第三者の権利は、契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときに発生する。

 

正解×

 第三者のためにする契約がなされた場合において、当該第三者の権利は、当該第三者が債務者(諾約者)に対して、その契約の利益を享受する意思を表示した時に発生します(受益の意思表示。537条3項)。

 

 

 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならない。

 

正解〇

 売買目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、原則として、その引渡し場所において、代金を支払うものとされています(574条)。

 

 

 消費貸借によらず金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなされる。

 

正解〇

 例えば、代金支払債務を消費貸借の債務へと変更する合意であり、準消費貸借契約は「諾成契約」です(588条)。

 

 

 賃貸借契約は20年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときは20年に短縮される。

 

正解×

 賃貸借契約は50年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときは50年に短縮されます(604条1項)。

 

 

 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負うが、使用者が被用者の選任又はその事業の監督について相当の注意をしたときは、当該責任を負わない。

 

正解×

 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負います。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、当該責任を負いません(715条1項)。本問は、「使用者が被用者の選任「又は」その事業の監督について相当の注意をしたとき」とされている点で誤りです。

 

 

 損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときを除き、賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じたすべての損傷について、賃貸借が終了したときに原状に復する義務を負う。

 

正解×

 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除きます。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負います(621条本文)。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この原状回復義務を負いません(621条ただし書)。したがって、賃借人はすべての損傷について原状回復義務を負うわけではありません。

 

 

 判例によれば、建物の建築を目的とする請負契約の請負人は、自ら材料を提供したか、注文者が材料を提供したかにかかわらず、完成した建物の所有権を取得する。

 

正解×

 建物の建築請負など、物の製作を仕事の目的とした場合に、その完成物の所有権の帰属について特約がないときは、請負人が材料の全部又は主要部分を提供した場合には、完成物の所有権は、まず請負人に帰属し、その引渡しによって注文者に移転することになります(大判大3・12・26)。一方、注文者が材料の大部分を提供し、又は報酬の大半を支払っていた場合には、その所有権は完成と同時に注文者に帰属します(大判昭7・5・9)。したがって、「自ら材料を提供したか、注文者が材料を提供したかにかかわらず、完成した建物の所有権を取得する」とする本問は誤りです。

 

 

 最高裁判所は、酒類販売の免許制について、酒類の無秩序な販売による国民の健康安全に対する弊害を防止するために必要な規制であるとして、憲法22条1項の規定に違反するものではないとしている。

 

正解×

 最高裁判所は、酒類販売の免許制について、「租税の適正かつ確実な賦課徴収を図るという国家の財政目的のための職業の許可制による規制については、その必要性と合理性についての立法府の判断が、政策的、技術的な裁量の範囲を逸脱するもので、著しく不合理なものでない限り、憲法22条1項の規定に違反するものということはできない。」と判示しています(酒類販売業免許制事件。最判平4・12・15)。「酒類の無秩序な販売による国民の健康安全に対する弊害を防止するために必要な規制である」ことを理由にしていません。

 

 

 意思無能力者による契約は、取り消すことができる。

 

正解×

 意思無能力者による契約は、無効となります(3条の2)。

 

 

 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、債務者は、期限の利益を主張することができない。

 

正解〇

 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、債務者は、期限の利益を主張することができません(137条1項)。

 

 

 無報酬の書面による寄託における受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。

 

正解×

 無報酬の受寄者は、寄託物を受け取るまで、契約の解除をすることができますが、書面による寄託については、解除できません(657条の2第2項)。

 

 

 事務管理の管理者は、本人のために有益な費用を支出した場合でも、本人の意思に反して事務管理をしたときは、本人に対してその費用の償還を請求することができない。

 

正解×

事務管理の管理者が本人のために有益な費用を支出した場合には、本人の意思に反する事務管理であっても、「本人が現に利益を受けている限度」で、その費用の償還を請求することができます(702条1項、3項)。

 

 

 行政手続法上の届出とは、行政庁に対し一定の事項の通知をする行為であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているものの全てをいう。

 

正解×

 届出とは、行政庁に対し一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているものをいいます(2条7号)。したがって、行政庁に対し一定の事項の通知をする行為でも、申請に該当するものは除かれます

 

 

 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができる。

 

正解〇

 主宰者は、当事者の全部若しくは一部が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書若しくは証拠書類等を提出しない場合、又は参加人の全部若しくは一部が聴聞の期日に出頭しない場合には、これらの者に対し改めて意見を述べ、及び証拠書類等を提出する機会を与えることなく、聴聞を終結することができます(23条1項)。

 

 

 事実行為は、行政行為ではない。

 

正解〇

 事実行為は、法的な効果が発生しないため、行政行為とはいえません。

 

こんにちは、おっさんです。

前回の続きです。

 

次の文章は、自衛隊基地建設のために必要な土地の売買契約を含む土地取得行為と憲法9条の関係を論じた、ある最高裁判所判決の一部である(原文を一部修正した。)。ア~オの本来の論理的な順序に即した並び順として、正しいものはどれか。

 

ア 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範は、私法的な価値秩序とは本来関係のない優れて公法的な性格を有する規範である。

イ 私法的な価値秩序において、憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範が、そのままの内容で民法90条にいう「公ノ秩序」の内容を形成し、それに反する私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはない。

ウ 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範は、私法的な価値秩序のもとで確立された私的自治の原則、契約における信義則、取引の安全等の私法上の規範によつて相対化され、民法90条にいう「公ノ秩序」の内容の一部を形成する。

エ 憲法9条の宣明する国際平和主義、戦争の放棄、戦力の不保持などの国家の統治活動に対する規範にかかわる私法上の行為については、私法的な価値秩序のもとにおいて、社会的に許容されない反社会的な行為であるとの認識が、社会の一般的な観念として確立しているか否かが、私法上の行為の効力の有無を判断する基準になるものというべきである。

オ 憲法9条は、人権規定と同様、国の基本的な法秩序を宣示した規定であるから、憲法より下位の法形式によるすべての法規の解釈適用に当たつて、その指導原理となりうるものであることはいうまでもない。

 

1 ア イ ウ エ オ

2 イ ウ エ オ ア

3 ウ エ オ ア イ

4 エ オ ア イ ウ

5 オ ア イ ウ エ

 

各選択肢を要約してみると、

 肢アは、「憲法9条の宣明する規範は、私法的な価値秩序とは本来関係のない優れて公法的な性格を有する規範である」。

 肢イは「私法的な価値秩序において、憲法9条の宣明する規範は、私法上の行為の効力を一律に否定する法的作用を営むということはない」。

 肢ウは「憲法9条の宣明する規範は、私法的な価値秩序のもとで確立された私法上の規範によって相対化され、民法90条にいう「公ノ秩序」の内容の一部を形成する」。

 肢エは「私法的な価値秩序のもとにおいて、反社会的な行為であるとの認識が、社会の一般的な観念として確立しているか否かが、私法上の行為の効力の有無を判断する基準になる」。

 以上により、ア・イ・ウ・エがそのままの順で繋がっていることがわかります。

 そして肢オは「憲法9条は、憲法より下位の法形式によるすべての法規の解釈適用に当たつて、その指導原理となりうる」としており、上記の4つの肢に対応しておらず、また、4つの肢の後に繋がるものではないため、4つの肢の最初に付けるのが一番妥当といえます。

 したがって、オ・ア・イ・ウ・エの順とする5が正解となります。

 

 

プライバシーに関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

 

1 何人も、その承諾なしにみだりに容貌等を撮影されない自由を有するので、犯罪捜査のための警察官による写真撮影は、犯人以外の第三者の容貌が含まれない限度で許される。

2 前科は、個人の名誉や信用に直接関わる事項であるから、事件それ自体を公表することに歴史的または社会的な意義が認められるような場合であっても、事件当事者の実名を明らかにすることは許されない。

3 指紋は、性質上万人不同、終生不変とはいえ、指先の紋様にすぎず、それ自体では個人の私生活や人格、思想等個人の内心に関する情報ではないから、プライバシーとして保護されるものではない。

4 犯罪を犯した少年に関する犯人情報、履歴情報はプライバシーとして保護されるべき情報であるから、当該少年を特定することが可能な記事を掲載した場合には、特段の事情がない限り、不法行為が成立する。

5 いわゆる住基ネットによって管理、利用等される氏名・生年月日・性別・住所からなる本人確認情報は、社会生活上は一定の範囲の他者には当然開示されることが想定され、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。

 

1 妥当でない。判例は、「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」としながら、「個人の有する右自由も、国家権力の行使から無制限に保護されるわけでなく、公共の福祉のため必要のある場合には相当の制限を受けることは同条の規定に照らして明らかである。そして、犯罪を捜査することは、公共の福祉のため警察に与えられた国家作用の一つであり、警察にはこれを遂行すべき責務があるのであるから(警察法2条1項参照)、警察官が犯罪捜査の必要上写真を撮影する際、その対象の中に犯人のみならず第三者である個人の容ぼう等が含まれても、これが許容される場合がありうるものといわなければならない。」と判示しています(京都府学連事件。最大判昭44・12・24)。

2 妥当でない。判例は、「歴史的または社会的な意義が認められるような場合には、事件当事者の実名を明らかにすることは許されないとはいえない」と判示しています(ノンフィクション「逆転」事件。最判平6・2・8)

3 妥当でない。判例は、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有する。」と判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。

4 妥当でない。判例は、本肢のような場合、特段の事情がない限り不法行為が成立すると判示しているわけではありません(少年犯罪推知報道事件。最判平15・3・14)。

5 妥当である。判例は、「住基ネットが被上告人らの上記の自由を侵害するものであるか否かについて検討するに、住基ネットによって管理、利用等される本人確認情報は、氏名、生年月日、性別及び住所から成る4情報に、住民票コード及び変更情報を加えたものにすぎない。このうち4情報は、人が社会生活を営む上で一定の範囲の他者には当然開示されることが予定されている個人識別情報であり、これらはいずれも、個人の内面に関わるような秘匿性の高い情報とはいえない。」と判示しています(住基ネット訴訟。最判平20・3・6)。

 

 

次の文章は、衆議院議員選挙の効力を争った、ある高等裁判所判決の一節である。当時の公職選挙法別表に定められた選挙区への定数配分については、先の総選挙に関し、最高裁判所が、客観的には違憲状態であるが、なお選挙時には改正に必要な合理的期間を徒過していなかったことを理由に、合憲判断を下していた。高裁判決では、こうした状態の下で解散総選挙が行われた事案に関して、憲法判断が求められている。そこで扱われた問題を論じた文章として、妥当なものはどれか。

 

 被告は、本件選挙は内閣の衆議院解散権の行使によるものであるところ、このような選挙については、投票価値の較差を是正したうえでこれを行うかどうかは立法政策の問題である旨主張する。

 本件選挙が内閣の衆議院解散権の行使に基づくものであることは公知の事実であるが、前記の較差是正を行うべき合理的期間は、選挙権の平等を害するような較差を生ぜしめる議員定数配分規定がその間において改正されることを合理的に期待しうるに足る期間なのであるから、右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえないのであり、右期間経過後に行われる選挙の効力については、それが内閣の解散権の行使によるものであつても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない。その結果として内閣の解散権が事実上制約されることが起こりうるとしても、それは事柄の性質上やむをえないことであり、以上とは逆に、内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう。

           (東京高判昭和59年10月19日行集35巻10号1693頁以下)

 

1 この判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的だ、という立場にたっている。

2 内閣の解散権行使の結果行われた総選挙について、その無効を争う選挙訴訟は三審制であって、本件は控訴審判決である。

3 この判決は、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場にたっている。

4 本件訴訟は、公職選挙法の定める選挙訴訟として行われているので、いわゆる機関訴訟の1形態と位置づけられるものである。

5 この判決は、現時点ではすでに改正に必要な合理的期間を徒過しており、判例によれば当該議員定数配分規定は違憲だ、という立場にたっている。

 

1 妥当でない。本問の判決は、内閣の解散権行使の前提として、衆議院での内閣不信任決議案の可決が必要的である旨を論じていません

2 妥当でない。衆議院議員の選挙の効力に関する訴訟は、第一審が高等裁判所の管轄とされています(公職選挙法204条)。本問の判決は東京高等裁判所の判決ですので、控訴審判決ではありません。難問です。

3  妥当でない。本問の判例では、「内閣の解散権の行使によるものであっても、法律上他の事由に基づく選挙と異なつた取扱いをすべき理由はない」や「内閣の解散権を確保するために違憲の選挙法規の効力をあえて承認するような法解釈をとることは、本末を転倒するものとのそしりを免れないであろう」などから、政治上の必要があれば、本件のような事案で内閣が解散権を行使しても総選挙は適法だ、という立場に立っているとはいえません。

4 妥当でない。本件訴訟は、公職選挙法上の選挙の効力に関する訴訟(公職選挙法204条)であるため、行政事件訴訟法上の民衆訴訟に位置付けられます(行政事件訴訟法5条)。機関訴訟ではありません

5 妥当である。本問の判例は「較差是正を行うべき合理的期間は、・・・右期間が経過した以上、右規定は憲法に違反するものといわざるをえない」ということから、本肢は妥当です。

 

 

 次の文章は、ある最高裁判所判決において、国籍取得の際の取り扱いの区別が憲法14条に違反するか否かにつき、審査するに当たっての基本的考え方を示した部分である。次の記述のうち、この文章から読み取れない内容を述べているものはどれか。

 

 憲法10条は、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定し、これを受けて、国籍法は、日本国籍の得喪に関する要件を規定している。憲法10条の規定は、国籍は国家の構成員としての資格であり、国籍の得喪に関する要件を定めるに当たってはそれぞれの国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環境等、種々の要因を考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて、立法府の裁量判断にゆだねる趣旨のものであると解される。しかしながら、このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない。すなわち、立法府に与えられた上記のような裁量権を考慮しても、なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。

 日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに、我が国において基本的人権の保障、公的資格の付与、公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位でもある。一方、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。したがって、このような事柄をもって日本国籍取得の要件に関して区別を生じさせることに合理的な理由があるか否かについては、慎重に検討することが必要である。

               (最大判平成20年6月4日民集62巻6号1367頁)

1 立法が不合理な差別を行っていないかどうかは、立法目的の合理性、立法目的と取り扱いの区別との合理的関連性という二点から判断される。

2 憲法が国籍法制の内容を立法者の裁量判断に委ねていることに鑑みれば、この裁量権を考慮してもなお区別の合理性が認められない場合に憲法違反の問題が生じる。

3 憲法の基礎にある個人主義と民主主義の理念に照らせば、人種差別など個人の尊厳が問題になる場合や、選挙権や表現の自由が問題となる場合には、厳格な審査が要求される。

4 本件で取り扱いの区別の対象となる国籍が社会生活の様々な側面に強い影響を与える重要な法的地位である以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

5 取り扱いの区別が、本人の意思や努力によって左右できない事項に基づいて人を不利益に扱うものである以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。

 

1 読み取れる。本判例の第一段落最後の文「なおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合、又はその具体的な区別と上記の立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。」という部分から、本肢の「立法が不合理な差別を行っていないかどうかは、立法目的の合理性、立法目的と取り扱いの区別との合理的関連性という二点から判断される。」が読み取れます。

2 読み取れる。本判例の第一段落中程の文「しかしながら、このようにして定められた日本国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずることはいうまでもない。」の部分から、「裁量権を考慮してもなお区別の合理性が認められない場合に憲法違反の問題が生じる」ということが読み取れます。

3 読み取れない。本判決文では、人種差別など個人の尊厳が問題になる場合や、選挙権や表現の自由が問題となる場合について触れていませんので、読み取ることはできません。

4 読み取れる。本判例の第二段落「日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに・・・・慎重に検討することが必要である。」の部分から「国籍が社会生活の様々な側面に強い影響を与える重要な法的地位である以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる」が読み取れます。

5 読み取れる。本判例の第二段落「父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。」から、「取り扱いの区別が、本人の意思や努力によって左右できない事項に基づいて人を不利益に扱うものである以上、区別の合理性を判断する際には慎重な検討が必要となる。」ということが読み取れます。

 

 

 家族・婚姻に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

 

1 嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定は、当該規定が補充的に機能する規定であることから本来は立法裁量が広く認められる事柄であるが、法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する。

2 国籍法が血統主義を採用することには合理性があるが、日本国民との法律上の親子関係の存否に加え、日本との密接な結びつきの指標として一定の要件を設け、これを満たす場合に限り出生後の国籍取得を認めるとする立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる。

3 出生届に嫡出子または嫡出でない子の別を記載すべきものとする戸籍法の規定は、嫡出でない子について嫡出子との関係で不合理な差別的取扱いを定めたものであり、憲法に違反する。

4 厳密に父性の推定が重複することを回避するための期間(100日)を超えて女性の再婚を禁止する民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至った。

5 夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるが、婚姻前の氏の通称使用が広く定着していることからすると、直ちに違憲とまではいえない。

 

1 妥当でない。最高裁判所は、「法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても、認識の変化に伴い、上記制度の下で父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。遅くとも被相続人の相続が開始した平成13年7月当時においては、立法府の裁量権を考慮しても、嫡出子と嫡出でない子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていたというべきである。したがって、本件規定は、遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していたものというべきである。」と判示します(最大決平25・9・4)。したがって、「法律婚の保護という立法目的に照らすと著しく不合理であり、憲法に違反する」とする本問は妥当ではありません。

2 妥当でない。最高裁判所は、「本件区別については、これを生じさせた立法目的自体に合理的な根拠は認められるものの、立法目的との間における合理的関連性は、我が国の内外における社会的環境の変化等によって失われており、今日において、国籍法3条1項の規定は、日本国籍の取得につき合理性を欠いた過剰な要件を課するものとなっているというべきである。」と判示しています(最大判平20・6・4)。したがって、「立法目的には、合理的な根拠がないため不合理な差別に当たる」とする本問は妥当ではありません。

3 妥当でない。最高裁判所は、「戸籍法の規定のうち,出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分は、憲法14条1項に違反しない。」と判示しています(最判平25・9・26)。

4 妥当である。最高裁判所は、100日を超えて女性の再婚を禁止する旧民法の規定は、婚姻および家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超え、憲法に違反するに至ったと判示しています(最大判平27・12・16)。

5 妥当でない。最高裁判所は、夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占める状況は実質的に法の下の平等に違反する状態といいうるとは判示していません(最大判平27・12・16)

 

 

 自筆証書遺言をするには、遺言者が証書の全文、日付及び氏名を自書し、押印した上で、証書を封じ、封印しなければならない。

 

正解×

 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに押印しなければなりません(968条1項)。「証書を封じ、封印」をする必要はありません。

 

 

 受遺者が遺言者より先に死亡した場合は、遺言者が遺言において別段の意思を表示していない限り、受遺者の相続人が遺贈を受ける権利を相続する。

 

正解×

 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じません(994条1項)。したがって、「遺言者が遺言において別段の意思を表示していない限り、受遺者の相続人が遺贈を受ける権利を相続する」とする本問は誤りです。

 

 

 Aから100万円を借りているBが、その全額をAに弁済する場合、それと引換えに受取証書及び債権証書の返還を求めることができる。

 

正解×

 債務者など弁済者は、弁済と引換えに弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができ、これを債権者が交付しないときは、弁済者は、弁済を拒絶することができます(同時履行。486条)。一方、弁済者は、債権者に債権証書の返還を請求することができますが、これは、弁済と同時履行の関係ではありません(487条。通説)。

 

 

 弁済者が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をしたときは、弁済と同一の効力を有する。

 

正解×

 弁済をすることができる者(弁済者)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有します(482条)。弁済者が他の給付をしなければ、その給付は、弁済と同一の効力を有しません。

 

 

 Aは、Bに対して100万円の金銭債務を負担しており、Bは、Aに対して100万円相当の中古車引渡債務を負担している。この場合、A又はBは、両債務を相殺により消滅させることができる。

 

正解×

 2人が、いに同種の目的を有する債務(双方金銭債務)を負担していなければ、相殺することができません(505条1項本文)。

 

 

 時効消滅した債権は、たとえ消滅以前に相殺適状にあった場合でも、これを自働債権として相殺することはできない。

 

正解×

 時効消滅した債権であっても、消滅以前に相殺適状にあった場合には、これを自働債権として相殺することができます(508条)。

 

 

 承諾の期間を定めないでした契約の申込みは、申込者が撤回をする権利を留保したときを除き、撤回することができない。

 

正解×

 承諾の期間を定めないでした契約の申込みは、「申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまで」は、撤回することができません。ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときこの限りではありません(525条1項)。つまり、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間が経過すれば、申込みを撤回することができます

 

 

 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものと推定する。

 

正解×

 承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされます(528条)。

 

 

 Aは、第三者Cの詐欺によりBの所有する土地を買ってしまったが、売主Bに対して、この意思表示を常に取り消すことができるとは限らない。

 

正解〇

 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたとき(悪意又は有過失)に限り、その意思表示を取り消すことができます(96条2項)。したがって、Aは、売主Bに対して、意思表示を常に取り消すことができるとは限りません。

 

 

 第三者のためにする契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合、その効力は生じない。

 

正解×

 第三者のためにする契約は、その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられません(537条2項)。

 

こんにちは、おっさんです。

前回の続きです。

 

 民法が規定する典型契約のうち、消費貸借と使用貸借は、いずれも要物契約である。

 

正解×

 民法が規定する典型契約のうち、「要物契約」は、消費貸借のみであり、使用貸借は「諾成契約」です。

 

 

 民法は、一般的な契約についてのルールを定めたものであるので、公法である。

 

正解×

 民法は、私人と私人との間を規律した法律であるため、私法です。

 

 

 民法が一般法であるとした場合、商法は特別法であるといえる。

 

正解〇

 民法は、その規制対象を限定していないため一般法であり、商法はその規制対象を商売に限定しているため特別法であるといえます。

 

 

 民法の基本原則は、従前より所有権絶対の原則、契約自由の原則及び過失責任の原則とされており、今もこの基本原則の修正規定は民法には存在していない。

 

正解×

 民法の基本原則は、民法1条では「私権の公共性」「信義誠実の原則」「権利濫用の禁止」として修正を受けています。

 

 

 信義誠実の原則は、人間がお互いに信頼をすべきであるという原則であることから、民法では家族法にだけ妥当する原則であるといえる。

 

正解×

 信義誠実の原則は、家族法だけでなく、財産法を含めた民法全体に適用される原則です。

 

 

 権利の行使のように見えても、本来の権利の内容を逸脱するときは、その権利の行使が許されないことがある。

 

正解〇

 本肢のようなことを、「権利濫用の禁止」と呼んでいます(1条3項)。

 

 

 日本に住所を有しない外国人は、日本における居所をその者の住所とみなすことはできない。

 

正解×

 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなします(23条2項本文)。

 

 

 不在者が家庭裁判所から失踪宣告を受けたときは、その不在者は死亡したものとみなされ、権利能力を失う。

 

正解×

 失踪宣告を受けても従来の住所地における法律関係が死亡した場合と同様の扱いを受けるだけで、権利能力を失うわけではありません。

 

 

 沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が不明な場合に、一定の者の請求により、家庭裁判所から失踪の宣告を受けたときは、その者は、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときは、その1年が経過したときに、死亡したものとみなされる。

 

正解×

 沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が不明な場合に、一定の者の請求により、家庭裁判所から失踪の宣告を受けたときは、その者は、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後1年間明らかでないときは、その「危難が去った時」に、死亡したものとみなされます(31条後段)。「1年が経過したとき、死亡したものとみなされる」わけではありません。

 

 

 失踪者が生存すること又は死亡したとみなされる時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。

 

正解〇

 失踪宣告を受けた者が生存すること又は死亡したとみなされる時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければなりません(32条1項前段)。

 

 

権利能力なき社団の所有する不動産は、社団名義で登記をすることはできない。

 

正解〇

 社団の所有する不動産は、社団名義で登記することはできず、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるにすぎません。

 

 

 判例によれば、権利能力のない社団の財産は、社団を構成する総社員の総有に属するが、社員は、その財産に関し、共有の持分権又は分割請求権を有するとしている。

 

正解×

 判例は、権利能力のない社団の財産は、実質的には社団を構成する総社員の総有に属し、社員は、当然には、その財産に関し、共有の持分権又は分割請求権を有するものではないとしています(最判昭32・11・14)。

 

 

憲法13条に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

1 幸福追求権について、学説は憲法に列挙されていない新しい人権の根拠となる一般的かつ包括的な権利であると解するが、判例は立法による具体化を必要とするプログラム規定だという立場をとる。

2 幸福追求権の内容について、個人の人格的生存に必要不可欠な行為を行う自由を一般的に保障するものと解する見解があり、これを「一般的行為自由説」という。

3 プライバシーの権利について、個人の私的領域に他者を無断で立ち入らせないという消極的側面と並んで、積極的に自己に関する情報をコントロールする権利という側面も認める見解が有力である。

4 プライバシーの権利が、私法上、他者の侵害から私的領域を防御するという性格をもつのに対して、自己決定権は、公法上、国公立の学校や病院などにおける社会的な共同生活の中で生じる問題を取り扱う。

5 憲法13条が幸福追求権を保障したことをうけ、人権規定の私人間効力が判例上確立された1970年代以降、生命・身体、名誉・プライバシー、氏名・肖像等に関する私法上の人格権が初めて認められるようになった。

 

1 誤り。通説は憲法に規定されていない「新しい人権」といわれるものも、13条を根拠として具体的権利性が認められると解しています。そして判例も13条に基づいていわゆる「肖像権」などを認めたりしているので(最大判昭44・12・24)、「新しい人権」について13条を根拠とした具体的権利性を認めていると考えられます。したがって、「プログラム規定だという立場をとる」とする本肢は誤りです。

2 誤り。本肢は、「人格的利益説」に関するものであり、「一般的行為自由説」に関するものではありません。

3 正しい。プライバシーの権利については、消極的側面と並んで、自己に関する情報をコントロールする権利も認めている見解が重視されています。

 

4 誤り。プライバシーの権利が、私法上、他者の侵害から私的領域を防御するという性格をもつという点は「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と定義する(「宴のあと」事件。東京地判昭39・9・28)などから正しい記述といえます。一方、自己決定権とは、私的事項について公権力の干渉を受けずに自ら決定できる権利と解されているため、「公法上」だけでなく、「私法上」の問題を取り扱うこともあります。

5 誤り。最高裁判所はプライバシー権について定義したことはありませんが、地方裁判所の判決では、プライバシーの権利を個人の私的領域への干渉を排除するという自由権的・消極的側面を重視して、「私生活をみだりに公開されないという法的保障ないし権利」と定義しています(「宴のあと」事件の第一審判決。東京地判昭39・9・28)。したがって、1970年(昭和45年)以降に初めて私法上の人格権が認められたわけではありません。

 

 

外国人の憲法上の権利に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らして妥当でないものはどれか。

 

1 国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反して許されず、また、この自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される。

2 日本に在留する外国人のうちでも、永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特に緊密な関係を持っている者に、法律によって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与することは、憲法上禁止されない。

3 普通地方公共団体は、条例等の定めるところによりその職員に在留外国人を採用することを認められているが、この際に、その処遇について合理的な理由に基づいて日本国民と異なる取扱いをすることは許される。

4 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国はその政治的判断によって決定することができ、限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たって、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許される。

5 外国人は、憲法上日本に入国する自由を保障されてはいないが、憲法22条1項は、居住・移転の自由の一部として海外渡航の自由も保障していると解されるため、日本に在留する外国人が一時的に海外旅行のため出国し再入国する自由も認められる。

 

1 妥当である。判例は、「個人の私生活上の自由の一つとして、何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、同条(13条)の趣旨に反して許されず、また、右の自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される」と判示しています。しかし、「外国人登録法の指紋押なつ制度は、外国人の居住関係及び身分関係を明確にするための最も確実な制度であり、その立法目的には合理性・必要性があり、憲法13条に違反しない。」とも判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。

2 妥当である。判例は、法律によって地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与することは、憲法上禁止されないと判示しています(外国人地方選挙事件。最判平7・2・28)。

3 妥当である。判例は、普通地方公共団体が合理的な理由に基づいて日本の国籍を有する職員と在留外国人である職員について、異なる取扱いをしても憲法14条1項に違反しないと判示しています(東京都管理職試験事件。最大判平17・1・26)。

4 妥当である。判例は、本肢のような社会権については、外国人に基本的人権の保障が及ばないとしています(塩見訴訟。最判平元・3・2)。

5 妥当でない。判例によれば、海外渡航の自由は、憲法22条2項によって保障されます(帆足事件。最大判昭33・9・10)。しかし、我が国に在留する外国人は、外国へ一時旅行する自由を憲法上保障されておらず、再入国の自由認められていません(森川キャサリーン事件。最判平4・11・16)。

 

 

 外国人の人権に関する次の文章のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らし、妥当でないものはどれか。

 

1 国家機関が国民に対して正当な理由なく指紋の押捺を強制することは、憲法13条の趣旨に反するが、この自由の保障はわが国に在留する外国人にまで及ぶものではない。

2 わが国に在留する外国人は、憲法上、外国に一時旅行する自由を保障されているものではない。

3 政治活動の自由は、わが国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等、外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ。

4 国の統治のあり方については国民が最終的な責任を負うべきものである以上、外国人が公権力の行使等を行う地方公務員に就任することはわが国の法体系の想定するところではない。

5 社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、その政治的判断によってこれを決定することができる。

 

1 妥当でない。判例は、「何人もみだりに指紋の押なつを強制されない自由を有し、国家機関が正当な理由もなく指紋の押なつを強制することは、憲法13条の趣旨に反し許されず、また、右自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと解される」と判示しています(指紋押捺拒否事件。最判平7・12・15)。したがって、「外国人にまで及ぶものではない」とする本肢は妥当ではありません

2 妥当である。判例は、「わが国に在留する外国人は、憲法上、外国へ一時旅行する自由保障されているものではない。」と判示しています(森川キャサリーン事件。最判平4・11・16)。

3 妥当である。判例は、「政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と判示しています(マクリーン事件。最大判昭53・10・4)。

4 妥当である。判例は、「国及び普通地方公共団体による統治の在り方については日本国の統治者としての国民が最終的な責任を負うべきものであること(憲法1条、15条1項参照)に照らし、原則として日本の国籍を有する者が公権力行使等地方公務員に就任することが想定されているとみるべきであり、我が国以外の国家に帰属し、その国家との間でその国民としての権利義務を有する外国人が公権力行使等地方公務員に就任することは、本来我が国の法体系の想定するところではないものというべきである。」と判示しています(東京都管理職試験事件。最大判平17・1・26)。

5 妥当である。判例は、「社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は、特別の条約の存しない限り、当該外国人の属する国との外交関係、変動する国際情勢、国内の政治・経済・社会的諸事情等に照らしながら、その政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源の下で福祉的給付を行うに当たり、自国民を在留外国人より優先的に扱うことも、許されるべきことと解される。」としています(塩見訴訟。最判平元・3・2)。