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オレサマとの新婚生活。
色んな事があったけど、かなり上位に悲しかったこと。
いや、悲しみさえ通り越して、恐怖に震えたこと。
わたしが妊娠7〜8ヶ月くらいの時のこと。
ある日、二人でラーメン屋さんに行って、畳の座敷席に向かい合って座った。
テーブルがいくつかあって、間に置いてある木のつい立てで仕切られてた。
わたしの後ろにも席があって、つい立ての向こうには男性が二人、やはり合向かいで座ってビールを飲んでいた。
30代くらいでけっこうヤンチャなかんじ。ビールを何杯か飲んでるらしく、酔っ払って大きな声で喋ってた。ハッキリ言ってガラが悪く、うるさかった。
それが、つい立てを挟んで、わたしの真後ろにいたってわけ。
やだな… って思ってるうち、頼んだラーメンがきて、わたしらは食べ始めたんだけど
男らは酔いが進んだらしく、少しバタバタと軽く暴れ始めた。笑いながら、身ぶり手振りが大げさになってるみたいだった。
暴れた彼らは、わたしの真後ろにあるつい立てに何度もぶつかってきた。バタンバタンて。
木のつい立てがどんどんわたしの方へずれて、とうとうわたしの背中に当たってきた。
わたし「え、あ、ちょっ… 」
男らは更に暴れてる。
めっちゃ怖かった。
つい立てごと、男がこちらに倒れてきたらどうしようかと思った。お腹に赤ちゃんがいるのに。逃げなきゃ。
でも… あからさまにわたしが席を動くと、酔った男らが
「なんだテメェ、なに急に動いてんだよ」
ってからんで来そうで、うかつに動けなくて、恐怖の中、わたしは身体が固まりながら
目の前のオレサマに、目で助けを求めた。
泣きそうだった。
オレサマはこっちを見ていた。そりゃ目の前にいたからね。
さあ、その時、オレサマはどうしたでしょう??
……
彼は、バツが悪そうにニヤニヤしてこっちを見て、ずっと黙ってた。
妊婦の妻が危ない目にあってるのは一目瞭然。妻が目で合図してるのもわかってたろう。でも助けるのは怖い。だから助けない。でも、いちおうバツが悪い。だからニヤニヤしてごまかしてたんだろう。
……
それは
さすがにショックだった。
いくらあんなオレサマでも、妊婦のわたしが危ない目にあってたら、少しは助けようとするなり、なんらかのアクションを起こすと思ってた。
でも、助けるどころか笑ってた。
今でも覚えてる。
バツが悪そうに、ひきつってニヤニヤしたオレサマの顔。
きもちわるい。思い出しても吐きそう。
(あ〜〜 離婚して正解)
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