週末なのに、来週の行事が目白押しで頭が混乱気味。

そんな時に、お酒の力に頼ってしまう弱い俺。

酒が入れば世の中バラ色さ。

 神田で一席、仲間とくだらない話で盛り上がり、時計を見ながら駅のホームへ向う。

自分以外は山手線、自分は京浜東北。

同じホームで電車を待つ。

珍しく、京浜東北が先に到着、扉が開き乗り込む。

ホームで見送ってくれる仲間を見て、「それじゃ」のポーズを決め込んだその時「?」

ホームから帰ってきた声は、明らかに2丁目のおネエキャラ。

『hideさぁぁ~ん。ま”たあしたぁぁ♡』

しかも胸元で手のひらを見せながら、小さく手を振っている。

(なんだぁ?)

笑っていいのか判断できないうちに扉が閉まり発車

動き始めると、小股で小走り気味に暫く追ってくる。

純粋に笑いをこらえたその顔を、車内に向けた時自分の置かれた状況がわかった。

「あっ・・・やられた。」

乗客の冷たい視線と失笑。

「違います・・決してそっちの方では・・」

言い訳したい!乗ってる皆に言い訳したい!出来ないのなら今すぐ降りたい!

あまりに恥ずかし過ぎるので、酔った振り。

今頃山手線の中は笑いが止まらないだろう・・。

目をつぶって寝たふりをしながら色々考えていたら悪酔いしてきた。

ネタはいただきだが、やる勇気はない。

スベるのは目に見えている。


こんな酒があるから楽しい♪



現実逃避行

 ひとむかし前、活気を感じた夜の盛り場では、フイリピンクラブが楽しくて通ったもんです。

ふとしたことで、友人とバーで飲んだその足で立ち寄ることになった。

昔ほどの勢いが見れない店内で、やたらテンション高いレディ達。

中でも目を惹かれたのが、アジア離れした顔立ちの可愛い娘。

スパニッシュ系らしい。

すぐにペネロペ・クルスが頭の中に浮かんでくる。

スペインかぁ・・・

なにか、変なとこの「スイッチ」が、入ってしまったようである。

もう店を出る頃には、頭の中が「下心」で満載。

トム・クルーズと破局したんだっけか?

そいえば最近CMにでてるなぁ・・

妄想し放題。

いいじゃないか酔ってるんだし。

昔から、恋は「下心」、愛は「真心」ってね

幾つになっても恋はしていたいもんです。はい。

男の子ですから

毎年この連休明けの時期になると、思い出す。

インディ500の開催が近づき、神田のお祭りが終わる頃。

まだ10代だったが、バイクで事故を起こし死にかけた。

一時停止無視で、交差点を突っ切ろうとして、出会いがしらに跳ね飛ばされた。

幸い着地点に、メッキ工場のダンボールが山積みになっていたから良い様なものの、完全に死んだと思った。

それから、約半年間白衣の天使にお世話になった。

左足は、バンパーに挟まれメチャメチャだったが他は打撲程度。


 不思議なことに、入院中、しきりに同じような夢を繰り返し見ていた。

狭い通路、揺れる建物、堅牢な扉、鉄が軋む音。

何度か見るうちに、その夢の場所が、大きな船である事に気づいた。

とてつもなく大きい船。

デッキに上がると砲台が付いている。しかも複数。

あわただしい雰囲気の中に、取り残されたようにポツンと立ちすくむ自分。

空から近づくエンジン音と共に、矢のような閃光が上から降り注ぐ。

とても現実とは思えない光景。

足が「かぁ~っ」と熱くなる。

ふと見ると、左足の膝から下がない。

物凄い激痛が脳みそを貫く。


 そこでいつも目が覚める。額には汗がびっしょり。

夢から覚めても激痛は現実として残る。当然だが。

なぜ戦艦なのか判らなかった。

見舞いにくる親父にそのことを話すと、親父は何故か眉間にしわを寄せて、

考え込むように「ふぅ~ん。」と言って黙ってしまう。

何となく幼少の頃に、聞いた事がある話を少しずつ思い出す。


 退院して親父の兄の墓参りに行った。

戦艦武蔵に乗り込み、遺骨のない壺で横須賀に帰ってきた親父の兄さん。

親父は酒を飲みながら、その無念な話を聞かせてくれた。


 お化けや幽霊は信じないが、毎年思い出しながら左足を見つめる。