24/12/11 楊逸 時が滲む朝 | ptureのブログ

1989年中国の学生運動にのめり込んでいく二人の学生が主人公。純朴だなあ。そして熱いなあ。学生紛争時の日本の学生も一緒だったんだろうなあ。自分たちが動かさなきゃいけない。彼らは民主自由を唱えた。共産党の独裁ではなく、複数政党を望んだ。今の政治は汚職だらけ。そんなのはだめだ。そして各大学での運動は天安門に。この事件のことは極めてさらっと。主人公たちが運動していたのは大学のある街のほうだったから。天安門で人が死んだ。その事実で運動は霧消していったように書かれている。普通ならそんなこともないだろうけど、共産党の恐ろしさなんだろうな。中国に生まれなくてよかった。この時代は日本だとついこの間のように思えるけど、中国は異なるみたい。民主主義と帝国主義の違いがよくわからない、テレサ・テンとかの音楽はほぼご法度。本もどうやら検閲されたものしかなく、そうでないものは闇から仕入れるしかない。闇があるのは大都市だけなので、田舎の主人公たちは外の世界を知らない。高速鉄道もなく、多分自転車のほうが車より多いんだろうな。今の中国とのギャップがすごいよな。でも政治は変わらない。若者たちは将来の夢がみえなくなりつつある。おもしろかった。この本、芥川賞だって。そうかー。直木賞ならわかるんだけど。