ほぼ、電車の中で読んだんだけど、思わず目頭が熱くなってしまった。なんだよ、もう。1話目は漆原の昔からの患者のおばあさん。だんだん悪くなり、そして最後の時を迎える話。おばあさん、凛として、血が致命的にだめな戸島にみずから採血の練習台にもなってくれる。医者と患者の関係はかく有りたい、と思った話。次の話は若い看護師の話。見た目はちょっといい加減で軽く観えるけど、仕事は一生懸命やりたい。でも、時々微熱が出てどうしても仕事に行けないときがある。傍からみればさぼってるよう。でもそれは病気のせい。なるほどなあ、自己免疫関係の病気っていろいろあるんなあ。そして次の話。人生になんの希望もなくなってしまった少女。重篤になっても一切の治療を拒む。でも母親の本音を聞いて、一言。「先生、助けて」人間としてはダメ人間だけど、医者としては一流の漆原は答える。「任せて」こんなシーン、最高に泣いちまうよ。治療はなかなか功を奏しない。でも、ついに。採血結果を電子カルテでみる。自分でコーヒー買ってくると漆原はいい、戸島に画面の数値を見せてゆっくりと言う。「わたしたちの勝ちだ」泣いちまうよ。死は避けられず、受け入れなければいけない。死を尊ばなければいけない。患者の心を尊ばなければいけない。見事に表現してくれた。ああ、おもしろかった。