24/05/19 小松左京 首都消失 | ptureのブログ

突然、東京がなくなったら。政治の不在、金融システムの崩壊だけにとどまらず、マスコミもほぼ瀕死状態。そして本がなくなるというのはちとびっくり。これはネットの前夜としてはそうなんだろうな。目の付け所に思わず納得。読みながら、ああ、これシン・ゴジラと同じだ。庵野監督のあの作風は昭和の小松左京が原点だったのか。あるいはこの時代のハードなSFに基づいてるのかもしれない。政治中心で話が進んでいく。東京を覆い、ネットワークを一切社団する雲は一体何なのか、どこからきたのかという謎解き的な部分は全くない。この雲を取り払おうとする冒険もない。あるのは、この状況を如何に乗り越えるかだけ。有事のシミュレーションといったところ。映画になってたけど、小説のままだったらえらく地味だったろうなあ。学生時代に読んでたら、退屈に感じて途中で投げてたと思う。今でよかった。ありえなさそうであり得ること。東京が全く機能しなくなった上でどうやって国をなくさずに生き残るかの難しさに目がくらんだ。一方で東京がなくなっても人は生活していかざるを得ないという当たり前の部分。昔は単なる空想と思っただろうな。でも震災があって、考えられない大規模な紛争がおきた。可能性がない話じゃない。いいんじゃない?ただ、も少し短くてもよいのでは。理化学的説明やら武器的な説明、よくわからんかった。楽しみました。