24/01/28 有川浩 空の中 | ptureのブログ

自衛隊シリーズの2作目だけど前作と繋がりはなし。高度2万メートルで民間開発機と自衛隊機がいずれも突然の爆発。なんと、その高度に巨大な生命体がいたためでそこにぶつかったことが判明。日本は米軍にお願いして粉砕してもらおうとし、生命体から反撃を受け日本は麻痺状態に。でも、その生命体とはコミュニケーションができ、なんとか話し合いで最善策を築き上げていく。またもや容赦なく日本をぶっ壊すな、この作家は。今回は高校生の主人公、瞬が暮らす高知の村の雰囲気がしみるわー。幼馴染で元気いっぱいの佳江ちゃんと二人が懐く、河漁師の宮じいが高知弁丸出しで純朴まっしぐらな性格と、そして川や村の情景が日本の原風景だなあと癒やされる。もちろん、ストーリーはそんなのんびりしたところはないんだけれども。古代から生息し、しかも巨大で優れた知性を持つ物体にいきなり攻撃を仕掛ける人間の愚かさだよなあ。この反撃を持って人間の敵って決めかかるのはそりゃもう危険。まさか実際に起きたとしてもここまで愚かではありませんように、って祈りたくなる。宮じい、良かった。子どもたちを信じながらも、しっかり前に正しく進めるように、自分の素朴な経験からみんなを導き出す。作中にもあったけど、これがお年寄りに敵わない点、経験がとても大事な点。とかくそれが忘れがちになるところ、メインにもってきたのは素敵だ。話自体はちょっと冗長なところあったかな。楽しみました。