福島原発の爆発にまつわる小説。ニュースではみてはいるけれど、補償を貰える人と貰えない人の対比が実に人間くさい。補償を手放したくなくて働かない、あるいは家に帰らない。避難区域の外の住民は収入は変わらない、いや、街は疲弊してるんだから減少。そりゃ嫉妬どころか、恨み、いや軽蔑しちゃうよな。分断しちゃうよな。そしてほんとかうそか、その分断は政府が絵を書いているのかも。避難民の原発反対という言葉を誰も相手にしないように。うわ、こわいわー。話はそこで終わらずにさらに除染仕事の利権にも関わる。そして主人公はたまたま被爆した老人の事をしる。老人はずっと原発で働いていて、感謝もしてるので、被爆は原発に迷惑がかかるから隠したい。でも体はぼろぼろ。自殺したいけどできない。主人公は幇助する。電力は主人公に老人のことを秘密にしてほしいから、何かと便宜を働き、収入はとんでもないことに。さらに主人公と電力の関係を知り、主人公にたかる。長い小説じゃないんだけど、次から次へと、展開していく。金の汚さが大藪春彦みたいなだとおもったら、大藪春彦賞だったってのがちとびっくり。しかし、補償ってすごかったんだなあ。びっくり。おもしろかった。