22/11/04 香月日輪 黒沼 香月日輪のこわい話 | ptureのブログ

小編が19個。読み始める。お、児童向けかな。小学生や中学生が主人公。内容はきちんと怖い。鬼ごっこの話。おとなしい女の子がいじめで放課後に鬼ごっこの鬼にされる。校内をいじめっ子たちは逃げ回りいつの間にやら帰っちゃう。それも毎日。ある日いじめられっ子は消えてしまう。数年後、いじめっ子たちの前に消えた当時の姿の女の子が悲鳴を上げて逃げてくる。その後ろからは血まみれの鬼。いじめっ子たちを鬼が追いかけ始める。そしていじめっ子たちはその日から消えた。異世界でひたすら逃げ回らなければいけないわけだ。これは恐ろしい。自分が死んでいるのにそれを忘れている女の子。ランドセルに何でも食らう闇を飼う小学生。後半は児童向けじゃない感じ。主人公たちも大人。怖い話でなくてほっこりする話もある。お盆に帰ってくる友を迎える男性。男性は死者。そして世間話をしてまた送る。時代物も入ってる。侠客を父と呼ぶ娘の話。これもよかったな。それぞれの人生の幸せなときが光っていく。片方は悲劇で終わるんだけど。時々読む怪談とはちがって、短編ながらしっかり物語となってるあたりが好みだな。おもしろかった。