血圧を下げる運動は? | リハビリに注ぐ少々のスパイス

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臨床での疑問をもとに、色々なことを書いています。
教育にも興味があるので、少しでも多くのセラピストのためになる記事を書きたいと思っています。

今日は最近興味を持っている血圧について。

高血圧の方に運動療法が有効であることは今では比較的よく知られています。

もちろん、運動すれば何をしても(食事制限無し、生活改善無しなど)いいってわけではありません。
あくまでも運動療法は治療の一部分ですので、それだけで治療が完結することなどありません。

では、どの程度の運動が血圧を下げるのに効果的なのでしょうか?

一般的には『有酸素運動』が効果的と言われます。

これは色々理由があるようです。

その中でも、一番大切なのは継続性が高いということだと思います。

どんなに良い薬でも、飲まないと意味がない。

運動療法も同じで、いくら効果があっても、どれだけ私たちが有効であることを熱弁しても、当人である患者さんたちが行ってくれないと絶対に効果は出ないです。

例えば、仮にAという治療はとっても効果があるけど、一回の運動量がハードだから続けていくのが難しい。

一方でBという治療法は効果はAには劣るけど、簡単にできるから継続するのが簡単。しかも楽しく行うことが出来る。

こんなとき、私たちはどちらの治療法を患者さんたちに提案しますか?

簡単なようで難しいことだと思います。
結局は患者さんに合わせて処方を変えるということに尽きると思います。

行動変容というのはとっても難しい。

生活を変えるというのはとてつもなく大変なことなんです。

好きな物を制限しろといわれたら、私だって辛いです。

私はコーヒーが大好きなのですが、もし明日からコーヒーは一切禁止なんていわれたら、何を飲んでよいのか分かりません。笑

で、結局何がよいかということでその答えの1つとして楽な運動があります。

そう、ウォーキングです。
しかも友達などと会話しながらでもできるくらいの軽い負荷でのウォーキング。

VO2maxの50%くらいの負荷とされています。
修正Borgスケールでいうと11~13くらいに相当します。

いわゆる、AT以下の運動強度となりますね。

ちょっと専門用語が出てきたので簡単に説明を。

VO2maxというのは最高酸素摂取量といい、運動負荷試験を行って本来は検出するものです。
この数字が正確に測定できれば、おそらくATも測定できます。

ATとはanaerobic thresholdの略で嫌気性代謝閾値と言われます。
ざっくり言うと息が切れてくる運動負荷量のことです。
ややこしく言うと、好気的なエネルギー生産では間に合わず、嫌気的なエネルギー生産(解糖系)が入ってくる辺り。
解糖系はエネルギーを生産したときに乳酸っていう物質ができる。

この乳酸は酸だから二酸化炭素になる。
二酸化炭素は体内に蓄積しないように体外に出そうとする反応が体の中では起こる。
その反応が換気の亢進、つまり呼吸を荒くするということ。

だから、目安が息切れなんですね。

しかし、高血圧の方のATをいちいち測っている余裕がない、経済的にも時間的にも。
なんせ日本だけでも4000万人くらいいて、世界では10億人くらいいるらしいので。
とてもじゃないけど全員測定していられないし、その必要性も少ないと感じる。

そこでBorgスケールというのが出てきます。
これはとっても簡単で、表になっていて数字の横にコメントがある。

11は『楽である』

13は『ややきつい』

と書いてあります。

ちょうどこの辺りがATだとされていて、こんな単純なものなのに意外に精度が高いというか、比較的ATと近似するとされています。

下手にカルボーネン法なんかで計算するよりは実際的なのかもしれないですね。
カルボーネン法は年齢からある程度心拍数の上限を予想するんだけど、これはだいぶ荒っぽい計算。

とくに高齢者や心疾患患者さんではあまりあてにならない。
そもそも薬で心拍数を調整している人が多いので、その時点で信憑性は怪しくなる。

ということで、今日は高血圧の方には運動が重要ですよってことをお伝えしました。

もちろんこれで血圧が下がります。
特に軽症の高血圧患者さんの場合には変化が出易いとされています。

劇的に下がるわけではありませんが、少しでも下がることは重要なことです。
放っておいたら下がるどころか上がっていきますからね。

早いうちに対策を講じておくことが高血圧の進行予防の第一歩ということです。
高血圧というのはただ血圧が高いということではなく、様々な合併症を引き起こす実は恐ろしい疾患なんです。