今日も『呼吸療法認定士合格への道!!』第4段でございます^^
今日の内容は、取り込まれた空気中の酸素がどうやって血液中に移動するのか、ということです。
過去の内容と一部重複するかもしれませんがご了承下さい。
上気道を通過して肺胞に達した空気中の酸素は、毛細血管の中の血液中へ移動します。
この移動のことを拡散と表現します。
拡散は圧の高い方から低い方へ移動する自然な現象です。
つまり、この移動に際して重要なのが酸素分圧です。
酸素分圧とは、酸素がもっている圧力のことです。分圧は濃度に比例しますので空気中であれば酸素濃度は約21%となり、約150mmHgとなります。
しかし、肺放気酸素分圧は100mmHgと表現されています。
これは上気道を空気が通る間に加湿されることで空気中に水分が含まれるためです。
水分は飽和濃度まで上昇し、これが主の原因で肺胞に達したときの酸素分圧は約100mmHgとなります。
肺胞から毛細血管へ酸素が拡散するのだから、当然毛細血管の酸素分圧の方が低いということが予想できると思います。
事実、毛細血管中の酸素分圧は約40mmHgとされており、この圧の差を利用して酸素は肺胞から血液中へ移動できるということになります。
ここをもう少し詳しく見てみましょう。
赤血球が毛細血管の中を通る時間は約0.75秒と非常に短いですが、その短い時間でしっかりガス交換を行うことが出来ます。
ここで、酸素よりもはるかにヘモグロビンと結合力の高い一酸化炭素の拡散について考えます。
一酸化炭素は毛細血管の血液中に溶け込むと速やかにヘモグロビンと結合します。
一酸化炭素はその大部分が赤血球に取り込まれるため、血中の一酸化炭素分圧が上昇しません。
ということは、一酸化炭素は常に分圧の差が維持されるのでず~っと拡散し続けます。
どういうことかというと、毛細血管の血流量が増加したとしても、一酸化炭素の拡散には大きな変化が見られません。
拡散の制限因子が分圧の差の減少ではないので、血流量が多くなっても拡散は一定に進みます。
拡散が制限されるとしたら肺胞ー毛細血管関門のもつ拡散能そのものの変化ということになります。
一方、亜酸化窒素のようなヘモグロビンと全く結合しない物質の拡散を考えてみます。
一酸化炭素とは違い、拡散が始まると速やかに血中の亜酸化窒素分圧が上昇します。
その速度は極めて早く、0.1秒にも満たないうちに肺胞気亜酸化窒素分圧と等しくなります。
つまり、この点を過ぎると拡散は起こらなくなるということになります。
この場合、拡散を規定するのは血流量ということになります。
なぜなら、血流量が多ければ亜酸化窒素の分圧が下がることになるからです。
なぜこんなややこしい話をしたかというと、酸素はこの一酸化炭素と亜酸化窒素の中間の性質をもつとされているからです。
酸素はヘモグロビンとも結合するが一酸化炭素ほど強力な結合ではありません。
酸素分圧は亜酸化窒素ほど急ではありませんが、確実に上昇していきます。
そして、約0.25秒経過すると肺胞気酸素分圧と血中酸素分圧が等しくなり拡散が止まります。
赤血球は約0.75秒で毛細血管を通過するとされているので、結構余裕をもって拡散が止まるということになります。
以前の記事にも書いたとおり、激しい運動をすると肺の血流量も増加するため赤血球の毛細血管通過時間は約3倍短くなります。
それでもなんとか拡散を終えることができるため、正常な肺であれば激しい運動をしても血中の酸素分圧は低下することなく経過します。
しかし、肺胞ー毛細血管関門での拡散に障害をきたすような疾患では毛細血管を通過するうちに拡散が終わらずしっかりとガス交換が行えないことがあります。
そこらへんの病態ついてはまだ先のお話になりますが、このことをしっかり理解していると話が分かりやすいと思います^^
ややこしくて難しい範囲です、敬遠しがちですがこれを気に一気に得意分野にしてしまいましょう!!