「こんなに楽しくて、気持ちいいワークだったんですね!トラウマ・・という名前から、怖いかもと少し心配でした。
でも『シェアがない』って書いてあったから大丈夫かなと」

7月20日のワークに初めて参加された方から、
帰り道で伺った言葉です。

「そうなんですよ。
うちはともかく"気持ち良く"なっていただくワーク。
良い未来を受けとれる先取り体感をするんです。

シェアしないのは、だってイヤな過去を思い出しても、良くなったりしないでしょう?(笑)」

私自身がPTSDでしたから、
フラッシュバックの危険性はよくわかっています。
だからこそ安全・安心にこだわりました。


従来のPTSD治療は、「暴露療法」といって、思い出させて、
今のあなたはもう大丈夫という治療です。

他の演劇療法も「リプロセス」など、イヤな過去を
修復しようとします。

どれも、実際に受けられた方は
「フラッシュバックがひどくなった」という方が多いんです。

思い出して、イメージで過去を変えていくって、ムリですよ。


かといって、ただ気持ちよくなりましょう~的な「癒し」も、
私は問題解決に向かいにくいと思います。



じゃあ、どうやって過去の心の傷を治すの?
って思いますよね。


いいですか。

「過去の出来事」をどうこうするんじゃなくて、

「感情と未来」に目を向けるんです。



傷ができた過去の時点は、
守ることに精一杯でした。

だから、怒りや悲しみや理不尽な思いは、
安全になって初めて体と心がゆるみ、
いろんな症状として表れてきます。

それがPTSDです。


だからこそPTSDは、必ず時差・潜伏期間があるのです。

安全や余裕が感じられるまで、
人によっては20年近くたって出てくることもあります。


なぜPTSDが起きるかというと、
対面するには過酷すぎる内容だから、
本能が直面を避けてくれている。
つまり、電気のブレーカーのような安全装置なんです。

症状が出たとき、そのイヤな過去を見直したいでしょうか?

いいえ。

抑えてきた感情や
理不尽なことをされて、

それでもガマンするしかなかったもどかしさや
怒りや悲しさや恐怖や
そんな感情を吐き出したいんです。


そう。感情だけ吐き出せればいい。
だから、うちのワークでは、
何が起きたかは一切伺いません。


「カウンセリングで話して終わり。報告するだけ。
ちっとも治らない。
話すのも面倒くさくなって」
という言葉も伺いました。

だから、むしろ大声で「わーーっ」と怒ったり、
全身で泣いたり、笑ったり。
体から、モヤモヤを出してあげます。



PTSDとは、抑えてきた感情が体に出てくる症状。

だから、「感情を出してあげる」ことが必要なんです。
「過去を見直す」ことじゃありません。

インプロという演劇手法を使っていますのは、
ゲームや遊びの感覚で
気持ちをゆるめ、感情を出しやすくするための方法です。

また、すべてにおいて本人のペースを大事にして、
ムリに感情を出したりもしません。


わかりやすいのが「プレイ・ホープ」です。

その方の「聞きたい言葉」を出してもらいます。

求めて得られなかった「本当は大事に思っていたよ」といった愛情でもいい、
相手からの「申し訳ありませんでした」という謝罪でもいい、
未来への肯定的な言葉「必ず解決します」でもいい。

その方が聞きたい言葉を出していただき、
それを、イメージに近い方に語っていただきます。

すると・・・・


初めて体験する多くの方が

感動してポロポロと泣き出されます。


何が起きたかという過去も伺っていません。

その言葉にどんな意味があるかも、くわしくはわかりません。

けれども、その方にとって、聞きたかった言葉。
それに心が洗い流されるのです。


そう。「望む未来の疑似体感」なのです。


そして最後は「全肯定」。

よくある「ホメる」って、いいところだけにスポットをあてます。
けれども、人は不完全な生き物です。

たとえば成績をホメられたら、
成績が下がったら、自分は認めてもらえないのではと不安になります。


だからこそ、うちのワークではホメるのではなく、全肯定。

欠点もすべてひっくるめた
「あなたという存在まるごと」が素晴らしい!!

それを伝えていきたいのです。

あたたかい言葉に、ここでも涙される方が現れます。

本当は泣きたいけれど、
ずっと感情を抑えてきて、泣きたいのに泣けない方もいらしたり。

だからこそ、体と心をゆるめる体操やゲームを前半に持ってきています。


帰り道。
「カウンセリングよりずっと早くて効果的ですね」と。

ありがとうございます!!

気持ちよく楽しくなって、傷がスッキリする。
だから、うちのワークは「心の温泉」と呼ばれているんです。

*次回は、8月22日(土)。ご予約はお早めに。(^_^)
http://www.mental-support-jp.org/#!trauma/comt