私はよく「粒子線治療は心にも身体にも優しい治療である」と表現しています。
身体にも優しい為、手術や抗がん剤での治療が困難な超高齢者の方にも適しています。
さて、私のこばなしに度々登場する「超高齢者」という言葉。
これは一体 何歳の人を指す言葉なのでしょうか。
一般的に「高齢者」と言うと65歳以上の方を指します。
そこから65歳~75歳までを前期高齢者、75歳~85歳までを後期高齢者、
85歳以上を超高齢者と区分しています。これは老年医学で定義されています。
今回も、当センターで治療をされた超高齢者の女性のお話です。
当センターでの治療に至るまでの流れは、以下の通り。
10年以上前、上あごの歯ぐきにがん(歯肉がん)が見つかりました。
歯磨きをするときに異物の存在に気付いたそうです。
幸い小さなものだったため、歯ぐきとその下にある骨の一部を切断・切除して治癒。
それから数年経ち、上あごの手術部近辺にがんが再発。
今回も早期発見だった為、放射線治療と抗がん剤治療を受け、治癒となりました。
そして昨年になり、下あごの歯ぐきにがん(歯肉がん)が確認されました。
主治医からは再度の手術を勧められたそうですが、
手術の辛さは身をもって体験されており、もう二度と受けたくないとご本人が拒絶。
他の治療法も候補に挙がっていたようですが、
超高齢者であることも考慮し、身体により負担のかからない治療を探されていたそうです。
ご家族の尽力で「粒子線治療」の存在を発見し、私の元に辿り着きました。
セカンドオピニオンで資料を確認したところ、転移のない小さな歯肉がんでした。
「歯肉がんに対しての陽子線治療」の症例数は多くないのですが、
過去の経験より、治療成功の確信をもって治療を勧めました。
それから数日後、当センターでの治療が開始。
歯科医師と協力して製作した当センター独自の固定具も功を奏し、良好な治療結果を得ることが出来ました。
現在、治療が終わってから半年以上が経ちますが、再発の様子、副作用などもなく、普段通りの生活を送られています。
「毎日温泉につかりながら治療が出来たうえ、顎を切ることもなかった。
スタッフもみんな優しい。本当に、ここで治療を受けて良かった」
治療後に聞いたこの言葉が、当センターの全てを表現してくれており、嬉しく思います。
転移のない小さな歯肉がんに対して、今までは外科的な治療が一般的に行われてきましたが、
「粒子線を用いて治療を行える場合もある」ということを覚えておいて下さい。