重要文化財に決まった松殿山荘
宇治市木幡にある松殿しょうでん山荘です。
宇治は平安時代貴族の別荘があったところですが、
ここは松殿まつどのと呼ばれる関白藤原基房の別荘があったそうです。
住宅街から一歩入った敷地内の道です。
明治時代の役人でのちに弁護士を務めた高谷宗範たかやそうはんが、
書院式の茶道を広めるために大正7年にこの地を買い求め
十数年かけて完成させた山荘がここにあります。
↑この門からの眺めです。
方円思想という高谷宗範の考えが
意匠としてあちこちに使われています。
心は円満に丸く、行いは正しく四角く
ということだそうです。
花菱の意匠もあちこちにみられます。
大門からのながめ
こちらの玄関は豪商天王寺屋五兵衛宅を移設したものです。
天王寺屋というと、『あさが来た』の主人公の姉はつ(宮崎あおい)の
嫁ぎ先でしたが、明治維新で没落し、抵当に入っていたのを
高谷宗範が手に入れ、住んでいたそうです。
玄関のほかに、茶室や広間も移築されています。
(奥に花菱が見えています。)
中玄関も方円思想にそって○と□です。
左側に見えるのが眺望閣
18畳の茶室で、晴れた日には比叡山や愛宕山はもちろん
奈良の二上山や大阪のあべのハルカスも見えるそうです。
全部で17席の茶室がありますが、
そのうち13は広間(4畳半より大きい)です。
欄干にある瓢箪もよく使われています。
とにかく広い。
敷地が36000坪あります。
山荘流の茶道団体として公益財団法人になっているようですが、
ご当主が個人で管理されている印象を受けました。
春と秋に一般公開されています。(人数制限あり。)
このたび重要文化財に指定されるはこびとなり、
今後の活用が期待されます。
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