神職の語る医学 | 烏丸ママのブログ

神職の語る医学

ずいぶん前に図書館で借りた
春日大社の前宮司 葉室 賴昭氏(1927-2009)の本がおもしろかったので、
BFで、ふと目に付いた本を買いました。
〈神道〉のこころ(旧版)/春秋社
¥1,944
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これまた大変面白かったのです。
春日大社は藤原家の人間しか宮司になれないそうですが、
葉室家は藤原家の末裔で、天皇家の神事に携わった家です。
葉室さんはもともと形成外科医で病院を開業されていました。
開業医から宮司になった経緯も興味深いのですが、
医療についてのお話も大変興味深かったです。
以下抜粋です。

弥生時代になって外国から文化が入ってくると
病気もまた入ってくる。
ですから今のおこなわれている古い祭りは
病気を鎮めるお祭りです。
祇園祭も葵祭りもそうです。
いかに昔の日本人が病気を防ごうとしていたかわかります。
今は病気の正体がわかるから、
そんなばかげたことはしないという人がいますが、
いったいどっちが本当なのか。
お祭りで病気や伝染病を防ぐのが非科学的で、
薬でこれを殺すのが科学的なのか?
私はお祭りによって病気を防ぐほうが
本当の科学に近いと思います。

病気にかかって祖先がバタバタ死んだけれど、
その中の誰かが抗体を作って防いでくれた。
これが進化なんです。
本当の医学というのは、ばい菌を薬で殺すのではなく、
Aというばい菌が入ってきたときに、
これに打ち勝つ体を作る
ということでなければいけません。
しかし今の西洋医学を中心とした治療は
まったくその逆をやっています。
これでは人間は退化するしかありません。


もう一つ興味深かったのは肩こりの話です。
葉室宮司さんは形成外科医でしたが、
鍼治療を行った場合とそうでない場合の術後経過が全く違うことに
気づき、積極的に東洋医学を取り入れてきました。

東洋医学では首や肩こりの症状は
狭心症や脳溢血につながる大変な兆候ですが、
西洋医学では全く問題にされません。
以前不登校の女の子がお母さんに連れられてやってきました。
私は専門医でないから、他に行ってくださいと言ったら、
「いろいろな病院に行きましたが、いっこうによくならないので、
こちらに来ました」と、いうことでした。
その女の子は、身体がだるくて食べると吐くし
段々学校に行けなくなったということです。
お母さんに言われて、女の子の体をさわると、
ものすごい肩こりがあるのに気づきました。
それで肩こりの鍼治療をおこなったら、
病院からの帰りに今までなかった食欲がわいてきて、
もりもり食事をしたというんですね。
鍼治療を半月続けましたが、
女の子は元気に学校に行けるようになったそうです。
検査ばかりで女の子の医者が触診もしないで、
こういう結果になったのです。
こういう原点を忘れた治療は枚挙がありません。


神道というのはもともと信仰ではありません。
日本人の生活、知恵をさして神道と言っていました。
その特徴は自然との共生です。
環境破壊を回復させようとしても、回復しません。
共生するという考えがなければ、自然は回復しないのです。
この共生という生き方は日本の気候風土に育まれた
日本人独特のすごい生き方だと思います。

この本を読んだ後、似たような記事が日経に載りました。
9月15日朝刊一面
《子どもの風邪に薬はいらない》
風邪をひいた子どもは自然に治る
高熱やせきに苦しむ子どもをみれば
早く治してやりたいと思うのが親心
薬や注射は安心材料になるが、
大半の風邪はウィルスが原因で特効薬はない。
抗生物質は「副作用や耐性菌をうむおそれがあり、
マイナス面が大きい」


薬は適切に使いましょう。