日本人のわからない日本語 | 烏丸ママのブログ

日本人のわからない日本語

個人商店がどんどん廃業されている中で、京都も例外ではないけれど、まだまだがんばっているほうだと思います。
スーパーは便利だけど、商店街のほうが個性があっておもしろい。
八百屋のおばちゃんに「キンカンがとれすぎた」と言えば、「冷凍してたら、夏でもおいしく食べられるよ」とか、いまだに防空壕があるという米屋さんは「つきたてのおもちは、冷凍したら解凍してもやわらかいよ」とか、酒屋のおっちゃんは、造り酒屋の息子さんのウワサ(次男が《ハンチョウ》に出ている俳優)など、いろいろなことを教えてくれます。

中でも私が行ったら、1時間くらい出てこられないのは洋菓子屋さん。同年代のオーナーシェフで、私に限らず、営業時間の半分はお客と話しているのではないかと思うくらい。
そのお客の半分はヨーロッパ人のような気がします。
クリスマスにケーキを取りに行くと、疲れた顔のオーナーが。
そこで自称 肩もみ名人の私が肩をもんでいると、居合わせたドイツ人女性が「次は私もやって」とお願いされました。外国人は「肩がこる」という感覚がないと聞いていたので、ちょっとびっくり。

先日は、ここのプリンが子供たちのお気に入りで買いに行くと、1人のドイツ人がやってきました。
「くららさん、こちらフランク。今ね夏休みの講習を受けに来てるのよ」
「こんにちは!」と日本語でご挨拶。
その次に行くと、またフランク。
「すいません、いつも何しにくるんですか?」
「いやあ、ここに来るとしゃべる人がいますから」
「今日はね、こんな本をもらってきました」と、とりだしたのは《くずし字辞典》 
草書や行書のような字体が並んでいます。
「古文書を読むときに、これがないと読めないんですよ」
「そんなの日本人も読めません!」
「この人ね、頭がいいのよ。日本人じゃないから、頭がいいのねって言うと『ハイ!』って言うわよ」とオーナー。
「奥の細道」というと
「月日は百代の過客にして。。。」
「方丈記」
「ゆくかわのながれはたえずして。。。」
その他いろいろ暗誦してくれました。

別のアメリカ人留学生はすらすら日本の新聞を読んでいるので、
「何年日本語を勉強しましたか?」と尋ねると、
「3年」
という答えが返ってきました。我々はいったい何年英語を勉強しているんでしょうね。
ここで出会う留学生の人たちはみんな、日本人の若い子より、日本語がずっときれいです。
うちの子供たちもきれいな日本語を話してほしいなあ。

《日本人のしらない日本語》というドラマが昨夜始まりました。日本語学校の先生が、留学生たちにさまざまな質問をされて、悪戦苦闘する様子を描いたものです。テレビは見てないからわかりませんが、原作のコミックエッセイはすごく面白くて、家族中でハマッてしまいました。

しかし、上記のどのお店屋さんも後継者がいるとは思えず、どんどん個人商店がなくなっていくのだろうなあと少し寂しい思いです。
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西日に焼けた酒屋の看板
一体誰やねん? 
(答 三船 敏郎とのこと)